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連載【電経新聞】第5回「子育てしながら働き学ぶ女性の気持ち」BIP代表取締役社長 手塚里美
情報通信系の業界紙【電経新聞】のコラムコーナーPoint Of Viewにて、弊社代表取締役社長の手塚がコラムを連載中です。第5回が掲載されましたのでご紹介します。
経営コンサルティング会社の女性社長の視点から、さまざまな業界、大小企業の変革現場の実情や、急増する事業承継・M&A、新たな人材育成・活用推進などを発信していきます。
2019/11/25紙面より 連載第5回 「子育てしながら働き学ぶ女性の気持ち」
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【記事全文】
女性活躍が推進され、働き方改革をはじめとする社内制度改革、幼児保育料の無償化など、子育てしながら働く女性の環境が少しずつ変化している。
私も3歳児を育てるワーキングマザーだ。出産からこれまで初めて知ること、もっとこうなったらいいのにと思うことの連続だった。自分の体験も踏まえ、社会の中での女性活躍、とくに子育てしながら働く女性の活躍のためには、職場制度の改革と周囲の理解が大切だと強く感じている。
一般的に「女性は出産すると仕事への意欲を失う」と思う人が多いといわれている。
私も主婦だった母に育てられた先入観があり、自分が子どもを育てながら働く姿は、あまりイメージできていなかった。
経営学者で組織マネジメントを研究されている国保祥子さんの著書『働く女子のキャリア格差』では、興味深い日本の働く女性たちのリアルな調査データや職場の実態が紹介されている。調査によると多くの女性が出産後も仕事を続けたいと思っていることがわかったという。働く意欲を持った女性は意外に多いのだ。しかし、多くの人が出産後に働きづらさを理由に仕事を辞めている。なぜだろう?
私は今年4月、経営を学ぶためビジネススクールのMBAコースに入学、子育てしながら働き学ぶ同志たちに出会うことができた。社会的にはまだまだ少数派だが、仕事にも学びにも積極的な女性たちの存在に驚いた。そんな女性たちに共通しているのは目的意識の強さだ。現在の職場で働きづらさを感じていてその状況を打開したいと考えていたり、将来に向けてのステップアップやキャリア構築への思いが明確で、MBA卒業後の展望を尋ねると、転職や起業を挙げる人が多い。
もちろん、世の中には学びたくても学べない女性が多いことも事実だ。働き方改革が少しずつ進んでいるものの、働きづらさ学びづらさの壁は依然として高いと感じる。
私がワーキングマザーとして一番助けられたのは、フレックスや時短勤務、時間有休、テレワークなど、子どもの急な体調不良のお迎えにも柔軟に対応できる「勤務制度」、そして職場、共働きの夫など「周囲の協力と理解」だった。また、学びには金銭面での支援も重要だ。ビジネススクールでもほとんどの学生が雇用保険の教育訓練給付金や会社の教育制度・補助金を活用している。
子育てしながら働き学ぶ女性たちは、今後の事業発展の起爆剤になる可能性を秘めている。企業側は、キャリアアップや学びに意欲的な女性の気持ちに目を向け、経営者や管理職に登用したり、「働き甲斐」のある職場づくりを進めていく必要があるだろう。少子高齢化、人材不足がますます深刻になる時代、優秀で前向きな意欲ある人材確保のためにも、女性が活躍する制度の整備と意識改革を進めなければならない。
子育てしながら働き学ぶ女性たちは、将来を見据え、これからの企業の進化に期待を寄せている。私もそんな女性たちと切磋琢磨していきたい。