佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2012/02/13 佐々木流 BI経営進化論 第1回 ―第2・第3の事業開発で100年企業へ―
BIPは1月に創立5周年を迎え、今年6年目以降の中長期ビジョンを策定しました。その基本理念は、創業時に掲げた“共創”です。主役は、経営陣、社員、株主の皆様です。BIPは、Webサイトトップページに「経営者と株主のパートナー」と掲げています。皆様に役立つパートナーを目指して、努力していく所存です。
5年間で多くのアドバイザー業務と教育研修講師を務めさせて頂き、また自分なりにたくさんの調査研究を重ねてきました。まだまだ未熟ですが、その成果を皆様に還元し、同時に一緒に進化していきたいと念願しています。
BIエッセイもまもなく200号を迎えます。この機会に、「BI経営」に焦点を当て何か役立つ情報提供をしたいと思い、「BI経営進化論」を始めます。特に順番や体系だったことではなく、理論知と実践知の両面。率直なご意見やご指導、ご提案で「BI経営」が一層進化していければと念願しています。
(1)美人フラガールが事業開発する常磐ハワイアンズ――産業の変遷と企業の盛衰
先週2月8日、スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)がグランドオープンしました。WEBトップにその思いを伝えています。3月11日東日本大震災より約11ケ月目です。「2012年2月8日、ハワイアンズのファンはもちろん、私たち自身も待ち焦がれていた日が、ようやく訪れました。フラガールは踊りたい!スタッフはお客さまと会いたい!シェフはうでを振るいたい!子どもたちは思いきりハワイアンズで、とにかくいっぱい・・(略)・・“きづなリゾート”を胸に、皆さんに感謝の気持ちでいっぱい!気分も姿もガラっと変えて、ハワイアンズは、はじまりました。」
・詳細は・・・http://www.hawaiians.co.jp/
大震災の大きな被害と福島原発の近くの環境の中で、美しい女性陣が再び立ち上がりました。何という気高さなのでしょうか?! 企業経営の厳しさというよりは、地域で生きるということの厳しさを誰よりも痛感していると思います。
再びと書きましたが、その意味を知っている世代はどれだけいるのでしょうか?
スパリゾートハワイアンズは、常磐興産株式会社(1部上場企業)のコア事業であるレジャーリゾート事業部門です。
会社沿革によれば、明治16年 磐城炭鉱株式会社が資本金4万円、浅野総一郎社長で創立された。もともと炭鉱事業として設立されたのですが、ご存じの通りエネルギー産業の変遷による炭鉱閉鎖前後の、昭和41年1月 常磐ハワイアンセンター(現「スパリゾートハワイアンズ」)の営業開始が始まりました。私自身、まだ高校生の頃で、隣県在住でしたが、そのことはよく知らず、大学生になって詳細を知り驚いた記憶があります。
まったく異なる業種・業容に転換し、常磐地域での事業を再構築した歴史的成功モデルと言えますね。
その主役は、関東就職の多い中で、地元に残った若い女性たちでした。そして、地域撤退をせずに、地域再興を図った日本企業のすばらしさです。
ビジネスモデル論が米国で盛んになる以前より、常磐ハワイアンズだけでなく日本には業種・業容転換の事例は数多く存在しています。
(2)商品や事業には寿命があることが多い!――第2・第3の事業開発で100年企業へ
戦前、松下幸之助氏が創業したパナソニックは電球ソケット事業から始まり、1933年事業部制を発足させた。2009年にはデジタル家電、セキュリティー機器、携帯電話、カーエレクトロニクス、ヘルスケア機器、白物家電、照明、換気扇・空気洗浄機、半導体、電子部品、電池、FA機器、溶接機器、住宅事業と14ドメイン7.4兆円規模に変化発展。パナソニック電工、三洋電機を経営統合し、2012年には10兆円企業を目指しています。
海外企業でも、1886年創業のジョンソン・エンド・ジョンソンは絆創膏や包帯、湿布薬などの医薬消耗品は有名ですが、最近はコンタクトレンズや医療用機器、ヘルスケア商品等事業分野を大きく開拓し、会社を変化させています。
一時、「企業寿命30年説」が流行ったこともありますが、商品や事業に寿命がありますが企業に寿命はないことは今や明白です。日本は100年企業が世界一多い国です。寿命があるとすれば、変化を常とする経済的摂理ともいえますが、「人災」と言える場合もありますね。
第2、第3の事業開発、ビジネスモデル創造を継続するのは、企業経営の原理原則ですね。皆さんの会社はどう取り組んでいますか?
BIエッセイでも、何度か重要なビジネスモデル成功事例を紹介して来ました。理論はもとよりですが、成功事例を徹底的に学ぶことが大事だと思っています。
シャープの「液晶TV・携帯電話・太陽電池」連続改革成功(・BIエッセイ2008/10/06号 詳細はこちら>>)、アップルのiPod、iPhone連続改革成功(BIエッセイ2009/09/14号 詳細はこちら>>)を紹介しました。前職ネットワンシステムズ(株)の連続的ビジネスモデル開発、改革成功体験も教訓に満ちています。(BIエッセイ2008/05/13号 詳細はこちら>>) 昨年は、小型精密モーター領域世界一のビジネスモデルで成功している日本電産を紹介。「 M&Aの時代。買収した赤字会社30社すべてを黒字化した日本電産の経営」(BIエッセイ2011/09/12号 詳細はこちら>>)
企業の連続した改革実践はビジネスイノベーション、イノベーションマネジメントともいわれます。今では、一人の天才が実現するものではなく、継続的に学び地べたを這う実践をする組織や先進リーダーの役割、その企業のDNA等の重要性がわかってきています。
BIPでは、事業リーダー実践塾を既に4回開催し、コースの中では、私自身が『企業業績を抜本的に変えるビジネスモデル創造の事例と理論』の講義を担当しています。是非、多くの方にお役立て頂ければと存じます。(講義についての詳細・・・2011/11/21 第1回開講 『企業業績を抜本的に変えるビジネスモデル創造の事例と理論』(BIP第4期事業リーダー実践塾)
以上
佐々木 昭美(ささき あきよし)
取締役会長 総合研究所所長
経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)
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