佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2011/11/28 京都:ベンチャー学会全国大会、永観堂の紅葉 大阪:国立民族学博物館
先週末、キャンパスプラザ京都で開催された「日本ベンチャー学会第14回全国大会」に参加しました。休日にもかかわらず、全国各地から会員の皆様が大勢集まり、『地域イノベーションへの期待』をテーマに研究発表、パネルディスカッションなどが活発に行われました。私は会員総会と懇親会にも参加して、有意義な研究と交流ができました。
11月の京都は、1年で一番観光客が多い紅葉の季節。前泊して、南禅寺、永観堂、哲学の道、真如寺のコースを歩きました。今年の京都は暖かく紅葉が10日程遅れていたそうですが、前日頃から寒くなり素晴らしい紅葉を楽しむことができました。撮影してきた写真を掲載致します。
京都で連泊のホテルがとれず、大阪JR茨木駅前のビジネスホテルに泊まりました。近くに国立民族博物館(大阪万博跡地にある)があるのを思い出し、短時間ですが訪ねることができました。
頭を無にして、哲学の道を歩いたこともあってか、次年度に向けてのアイデアがいろいろと浮かんで来ました。
(1)京都:日本ベンチャー学会第14回全国大会
前職ネットワンシステムズ(株)がIPOした1996年の翌年、1997年にベンチャー学会が設立され、私も参加を始めました。ベンチャー企業の当事者としての実践と同時に、継続して研究と交流を続けています。多くの方々の研究に触発され、これまでたくさんの出会いがありました。
今年、私が強く印象に残ったことを2点述べます。
第1は、昨年に続き、ベンチャー政策、ベンチャー論について、地についた研究や議論が率直にされつつあることです。日本の本質に迫った研究と提言の必要性が改めて叫ばれました。
一時強調されたシリコンバレー型の導入モデルへの機械的傾斜、大学発ベンチャー政策の限界等の一方、着実に成果を挙げている中小ベンチャー企業、老舗企業のイノベーションも現存する中で、老若男女研究者の地道な日本企業の実践研究の成果が発表されつつあります。
第2は、愁眉の課題である東北復興について、「震災復興特別セッション」が企画され、「神戸医療産業都市構想に学ぶ震災復興策」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。大変有意義なものになったと思います。
単なる復旧ではなく、神戸が医療産業都市構想による復興政策によって、デフレ下でプラス成長している数少ない都市のひとつになっています。新産業の形成が不可欠であることを再認識した次第です。
また、スピードの大切さが強調されました。コンテナ貨物取り扱いで1980年に世界第4位であった神戸は2010年には第46位になってしまいました。中国・韓国・シンガポールが世界トップになり、国内でも東京・横浜に抜かれました。
(2)京都:南禅寺~永観堂~哲学の道~真如寺
リアルタイムの紅葉情報はやはり現地の方に聞く事が一番ですね。夕食したお店の女将さんとタクシーの運転手の話を聞いて、今回永観堂をメインにしたコースを歩き、正解でした。素晴らしい京都の紅葉を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごしました。南禅寺~永観堂~哲学の道~真如寺の紅葉を写真でご覧願います。
・南禅寺
・永観堂
・哲学の道
・真如寺
ところどころ青葉も残っていましたが、青空の下、赤と橙色が美しい紅葉風景を見ることができました。
(3)大阪:国立民族学博物館
国立民族学博物館は、1974年に創設され、1977年11月に開館したそうです。
藍野裕之氏は、著書『梅棹忠夫-未知への限りない情熱』の第十章で、国立民族学博物館について語っています。10月に読んだばかりで、一度訪ねてみたいと思っていました。たまたま、大阪JR茨城駅附近のホテルに泊まったことでもあり、近いので何とか時間をひねり出して観ることができました。
世界を9地域に分けた展示の数々は、すべての民族の生命感を強烈に感じます。
「国立民族学博物館はジオラマが少ない。・・(略)・・2010年には展示標本資料役1万3000点、所蔵標本資料約27万5000点まで膨れ上がった。これらはすべて、衣食住、儀礼、生業に関わる道具だ。これらを展示するのに、ジオラマのような手法を用いて、標本資料の使われていた空間を再現するようなことはしない、というのが民博の基本方針なのである。それより、標本資料、つまりモノのなかに存在する意味を探り、その意味によって再構成しようというのだ。この展示方法を、構造展示というそうだ。」
音楽・楽器や言語などの通文化展示は世界一の現物収集ではないかと思う程で驚きます。
世界を知る絶好の場所です。中学、高校の修学旅行には京都・奈良だけでなく是非訪ねてほしいと思った次第です。大学生には、民族学、文化人類学の視点はもちろんのこと、リベラルアーツ学習の一環としても不可欠なような気がしました。
以上
(参考文献)
1.日本ベンチャー学会『日本ベンチャー学会第14回全国大会 報告要旨集』(2011年11月)
2.藍野裕之『梅棹忠夫-未知への限りない情熱』(山と渓谷社 2011年9月初版)
3.国立民族学博物館『みんぱく 館内案内』
≪BIP ブックモール≫
読者の皆様へより便利に参考情報・参考書籍をご紹介するために、Amazon.co.jpアソシエイト・プログラムを採用しています。
佐々木 昭美(ささき あきよし)
取締役会長 総合研究所所長
経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)
◆ご質問・お問い合せはこちらから
専門コンサルタントへの、ご質問、ご相談等、お気軽にお問い合せ下さい。