佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2011/01/11 凡人1年の計。2011年『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』を作りませんか!
新春は、1年の計を立てる絶好の機会ですね。自身が「黒い白鳥」である我々凡人にとって、人生計画は「有ってもよし、無くてもよし」でしょうが、自由に変更したり、捨てたりしても私は作る方です。昨年新春に、職業人約30年間の経験と研究を踏まえて、BIエッセイで『三喜計画』を提唱しました。三喜計画とは、私の人生三分法の第Ⅲ期に当たって考えた「人生計画フレームワーク」です。(・BIエッセイ 2010/01/12 2010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く-2010年は「再スタート元年」-詳細はこちら>>)
そして、1年間の実践振り返りの一部を昨年末BIエッセイで紹介しました。人生の希望や夢を未知の荒波の中で実現する上でかなり有効な羅針盤となったようです。(・BIエッセイ 2010/12/13 私の「2010年三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)振り返り」を少し紹介します。詳細はこちら>>)
人生計画は古今東西の人間生活に共通する永遠のテーマで、膨大な出版物に溢れていますが、具体的なフレームワークを提唱したのは多くないようです。
現代日本でその先進的著作に、1866年(慶應2年)埼玉県生まれで東大農学部教授となった本田静六『人生計画の立て方』(参考文献1)があります。1952年実業之日本社より出版されました。今でも、日本一の人生計画本だと思います。
私が職業人として数年経った30才前後に読んで、今も書棚に保存している本を調べてみると、井上富男『ライフワークの見つけ方』『サラリーマン20年計画の実践』、脇田宗紀『ビジネスマンへの自己投資学』、吉野俊彦『複線的ライフワークのすすめ』、田中真澄『人生、勝負は後半にあり』等多数が残っており、今でもその輝きは変わりません。当時より私は人生計画について相当大事なテーマであったようです。
皆様、『三喜計画(働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び)』を一つの参考に、自分なりの人生計画フレームワークを創り、毎年実践してはいかがでしょうか? 実り多い人生に資すると確信しています。
図1:「人生3分法」のライフステージイメージ
準備期( 0~20歳)動物から人間への家庭教育、学校教育、地域教育で成長する時代
Ⅰ期 (21~40歳)大人として仕事で生きる職業能力実践習得、家族形成の時代
Ⅱ期 (41~55歳)領域一番で日本・世界で活躍し、子供の高等教育をする時代
Ⅲ期 (56歳~生涯)個人の適性・生き方に沿って、「生涯現役社会」に生きる時代
(1)2011年「働く喜び」計画を作る――仕事のフレームワーク 「成功の宣言」
図2:仕事のフレームワーク 「成功の宣言」仕事の計画のフレームワークは、四画面思考研究所所長の近藤修司先生(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科客員教授、元日本能率協会コンサルティング(株)代表取締役社長)が創造された四画面思考による『成功の宣言』(参考文献2)が大変役だっています。会社、組織としても、個人としても活用できます。(・Topics 2011/01/04 第2回開講 『永続する企業進化のOS!実績広がる四画面思考による改革実践力!』(BIP第3期事業リーダー実践塾)詳細はこちら>>)
①今日の飯と明日の飯――現在と未来を一緒に計画する四画面思考による『成功の宣言』を作る
・「現状の姿」(現状の分析)、「ありたい姿」(10年後のビジョン)、「なりたい姿」(3年後の達成目標と重点戦略)、「実践する姿」(毎日やる事、毎週やる事、毎月やる事、毎期やる事、毎年やる事、3年毎になる事、10年毎にやること)を考え、宣言することで自分・自社のやりたい事が明確になり、実践の意欲が沸いてきます。
・今日の飯(現在)と明日の飯(未来)の両方を並行してPDCAを回すのがポイントですね。
②戦略は細部に宿る ――四半期単位の『サクセスシート』(重点活動計画書)を作る
・戦略達成のための施策、組織、人事、予算等を具体的に決めるのがポイントです。
・四半期単位の重点活動計画書を作成して実践手順を明確にする。私は、『サクセスシート』と気分を盛り上げる呼び名にしています。
③自律他律で実践力 ――毎日(日報、アイデアミーティング)、毎週(お客様5社訪問、提案ナレッジ作成)、毎月(BI研究会、YWT振り返り)など実践することの明確化と自律他律ガバナンスを作る
・楽しい仕事の基本は自律的実行である。日報、アイデアミーティング、ナレッジ共創、BI研究会等で情報共有とナレッジ共創の場づくりを決める。
・毎週、毎月定期的に集団的「YWT(やったこと、わかったこと、次にやること)振り返り」を必ず実施して、自律他律のガバナンスのしくみをつくる。
(2)2011年「学ぶ喜び」計画を作る――学びのフレームワーク 「学ぶ3つのリテラシー」
図3:学びのフレームワーク 「学ぶ3つのリテラシー」人生・職業の成功や幸せは千差万別であるのは自明ですが、人間力・専門力・経営力の3領域が重要だと思っています。「学ぶ3つのリテラシー」は、私の学びのフレームワークです。
人生とは「一引き、二運、三力」。社会教育家田中真澄氏の言葉である。引きとは何でしょうか。
「・・・どんなに腕があっても、まずは「あなたを使ってあげる」と、人様に引っ張り上げてもらえる機会を得なければ、永遠に能力を発揮することはできません。そういう”引き”の機会をどうつくるか、それが人生の勝負です。」(参考文献3)
では、どうしたら”引き”が得られるのか。その一番のポイントが、「積極的に生きる姿勢」「情熱」だと教えています。なぜなら、成功者ほど前向きに燃える人間であり、自分と同じように必死に生きる姿に共鳴共感して「おまえ、なかなかいいじゃないか」とチャンスをくれる、ということだからだ。凡人の成功哲学は、知識やテクニックの前に心がけや生活習慣が重要だと諭してくれる。
それで、私は学ぶ分野の第一に人間力を挙げています。
①仕事の中心価値と信頼づくり――会社の調査研究+仲間との共同研究+個人の調査研究の合わせ技
・お客様に領域一番で持続的成長して頂く上で大切な骨格である「BI経営」を支援、強化するために、定期的に「ナレッジ共創」「BI研究会」「BI Lab News」を地道に推進します。
・現場実践と同時に日本、世界の新たな叡知を学ぶ。昨年秋加入したBA(ビジネスアナリシス)研究のIIBA日本支部の活動を進めます。ベンチャー学会、組織学会、NPO法人社外取締役ネットワーク等の研究・交流は継続して進めます。
②趣味、家庭、人生を豊かにする――価値観、趣向で異なり、意外にも正解を見つけるのが難しいが深い喜びの世界
・eBOOK端末を購入し、モバイル環境生かした好きな読書、新たな情報収集・保管スタイルを手探りで始めます。
・スマートフォン、ソーシャルメディア普及によって「絵図、言葉がポータル」が一層進化しています。図解、短い言葉の俳句、短歌、詩歌、アフォリズム(金言、警句、箴言、格言、座右の銘)を研究します。(参考文献4)
③学ぶ機会と研究・交流のお金を生み出す――自己投資+会社研究開発投資の積み重ねが明るい未来を創る
・会社も個人もムダは節制し、調査研究と交流、自己投資を充実します。
・全コンサルタントがコアサービス、コア研修コースを充実し、営業収益から研究開発費を継続的に生み出す事業基盤をつくる。
(3)2011年「遊ぶ喜び」計画を作る――遊びのフレームワーク 「創る美、見る美、聞く美」
図4 遊びのフレームワーク 「創る美、見る美、聞く美」最も忙しいビジネスリーダーこそ「仕事」の計画は当然ながら「遊び」の計画も大事なことだと思い、リーダーのOFF、リフレッシュについて「イチローさん流ヒット型」「王さん流ホームラン型」両方の「遊び型」を書き大変好評でした。(・BIエッセイ 2010/03/15 「仕事」と「遊び」の「シーソー」試論? リーダーこそ身近で気軽なリフレッシュで活力を!詳細はこちら>>)
「遊び」論を調べていて、松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(参考文献5)の中で、「遊」の言葉に出合いました。「遊」とは古代は危険の多い「出遊」であったそうですが、現代は自分の未知のことに踏み込む楽しい遊び=「美遊」と考えてもよいと私は勝手に解釈しました。日本人は遊びも「道」までに極める美学の国です。茶道、華道、芸道、書道、香道、文道、作法道、武道などに深化するすごい民族ですね。
遊び分類を図4のように「創る美」「見る美」「聞く美」の3つの分野へ整理したのは、節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』(参考文献6)に触発されたからです。私の遊びのフレームワークです。
①創る美(食事会、交流、社交、縁、カメラ、エッセイ、歌、スポーツなど)
・今年は、ツイッター、Facebookなどのソーシャルメディアでの国内外交流にトライしようと思っています。もちろん、仕事仲間、友人知人ネットワークのリアルな交流も広げる計画です。
・毎週執筆しているBIエッセイはもうすぐ150号です。本出版、電子書籍配信への夢?を持って引き続き頑張ります。
②見る美(旅行、自然、花、美術、建築、遺跡、映画など)
・夏期休暇の海外旅行は北欧、英国、ロシア等未踏のヨーロッパ探訪、GWの国内旅行は「龍馬伝」の四国を検討中で資料調べしています。
・昨年は西洋美術特別展ラッシュでした。今年は、日本美術・建築・工芸等を多く鑑賞する予定で情報収集中です。(山種美術館 ボストン美術館浮世絵名品展 2/16~4/17、東京国立近代美術館 岡本太郎生誕100周年 3/8~5/8、東京国立博物館「写楽」4/5~5/15、根津美術館 尾形光琳4/16~5/15)
③聞く美(CD、コンサート、歌舞伎、オペラ、芸能など)
・今年は日本文化探訪元年として、歌舞伎、能、文楽など日本芸能をこつこつと鑑賞し始めたいと思います。(参考文献7)
・今年も海外オペラ(フィレンツ、メトロポリタン、バイエルン歌劇場など)が多く来日します。1~2回鑑賞できれば嬉しい限りです。
正月にカトリック信仰者である作家の曾野綾子氏著書『老いの才覚』を読んで、襟を正す言葉に出会いました。喜ぶということ自体が深い人間力が必要なことを教えられました。
「聖書の中に「喜べ!」という記述があります。これは、人生に対する命令です。聖パウロは、「喜びを見つけること」が、私たちがほんものの幸福を手にすることのできる第1の鍵だといいます。
以前、皇后さまとその話題になった時、そうすることがどんなに難しいことでしょう、とおっしゃいました。私は驚くと同時に、非常にうれしかったのを覚えています。
どんな時も喜びなさい、と言われても、なかなか喜べるものではありません。しかし、パウロは、自分の意志によって喜びなさいと言うのです。」(参考文献8)
以上
(参考文献)
1.本田静六『人生計画の立て方(新装版)』(実業之日本社 2005年7月 初版 1952年出版の新装版)
2.近藤修司&成功の宣言文コミュニティ『四画面思考の基本』(四画面思考研究所 2009年4月)
3.田中真澄「ベドガーに学ぶセールスの極意」(致知出版社 『致知』2007年7月号)
4.ロバート・ハリス『アフォリズム』(サンクチュアリ出版 2010年12月)
5.松岡正剛『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書 2008年11月 初版)
6.節子・クロソフスカ・ド・ローラ『見る美 聞く美 思う美』(朝日文庫 2007年12月)
7.日経おとなのOFF『和の作法 和のこころ』(日経BP社 2011年1月発行)
8.曾野綾子『老いの才覚』(KKベストラーズ ベスト新書 2010年9月 初版第1刷)
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