佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2010/11/22 勤労感謝の日。子供たちは、そして皆様は働くことをどう考えているでしょうか?
11月23日(火)は勤労感謝の日ですね。皆様、毎日のお仕事本当にご苦労様です。勤労感謝の日はどうお過ごしの予定でしょうか。祭日を月曜日に寄せて連休を増やすようになって、次第に祭日を制定した意味が薄れつつあると感じるのは私だけでしょうか? 幸い?と言うべきか今年の勤労感謝の日は火曜日で祭日です。
子供たちは親の勤労=働くことについてどう感じているのでしょうか? 日本経済新聞は、11月20日号「子供ニュース」欄で、“両親を「すごい」「かっこいい」と思う点は?”という小学5年から中学3年までの男女200人対象のアンケート結果を紹介しています。
では、皆様は、勤労=働くことをどうお考えでしょうか。
(1)子供は、「働く親の姿をちゃんとみています」よ!
日本経済新聞11月20日号「子供ニュース」欄に、小学5年生から中学3年生までの男女200人対象アンケート調査した結果を掲載しています。両親の「すごい」「かっこいい」と思うところを、父母とも同じ選択肢で用意して、子供たちに選んでもらったという。その記事の一部を紹介します。
「「やっぱり経済力にはかないません!!」(中学女子)で象徴される通り、父親の1位は「お金を稼いでくれる」だった。「毎日元気に会社に行くことは大変なことだと、お母さんが言っていた」(小学男子)など妻の援護も重要だ。「ぼくたちが好きなことをできるのは、お父さんが一生懸命仕事をしてくれるから」(小学男子)という思いには、ほろっとさせられる父親も多いだろう。」(参考文献1)
もちろん、お母さんが働いている家庭では、家事と両立して働く母の姿に感謝の気持ちが強いと思います。子供たちは、親の働く姿をしっかりと見ているのですね。
(2)村上龍『無趣味のすすめ』とTV番組『カンブリア宮殿』はご存知ですか?
では、大人の働くことについての価値観はどうなのでしょうか。
現実は多様な価値観のようですが、私は、村上龍さんが著書『無趣味のすすめ』において、あえて挑発的タイトルで警告を発したように、「働くこと」を非常に大切にしたいという考えに共鳴する一人です。
私はそのことを昨年2009年4月27日BIエッセイ「 GW1日は読書。村上龍『無趣味のすすめ』の挑発的タイトルの真意は?」(詳細はこちら>>)で書きました。是非、お読み頂ければ幸いです。
皆様は、テレビ東京『カンブリア宮殿』を一度はご覧になったことがあるかもしれませんね? 経営者に登場頂いて事業、経営について語る番組ですが、村上龍さんはメインインタビューアを担当しています。企業経営を正面から取り上げた一見お堅い番組ですが、想定以上に視聴率を重ねているそうです。
その成果が本としても、『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言』『カンブリア宮殿 村上龍×経済人1 挑戦だけがチャンスをつくる』『カンブリア宮殿 村上龍×経済人2 できる社長の思考とルール』が出版されています。
『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言』の「まえがき」で村上龍さんが述べた言葉は、番組に登場した訳ではありませんが、職業生活30数年の私にとっては理解者が居てくれて大変嬉しいと感激一杯になります。
「この本は、「カンブリア宮殿」に登場したさまざまな経営者の「金言」を集めたものだが、その経緯を「番組収録時の抄録」という形で示している。企業経営者の「金言」だけをメモしても、あまり意味がない。その金言が生まれるために費やした時間と、ミもフタもない努力を追体験する必要がある。そして、その追体験は決して心地良いものではない。
事前にゲストの資料を読んでいて、いつもわたしはまず絶望に似た感慨を持つ。自分はとてもこんなに努力できない、と思ってしまうのだ。こんなに努力しないと人間は成功しないのだという感慨は決して心地良いものではない。しかし、勘違いしないで欲しいのだが、ゲストの経営者たちは、ミもフタもない努力を「喜んで」払ってきたのであって、誰も苦労なんかしていない。ミもフタもない努力を「苦しみながら」積み重ねることはできない。苦しいことに対して、人間は長期間好奇心を維持することはできないからだ。
他人から見たら苦労でも、本人にとっては喜びや充実感の源泉なのである。この本に収められた数々の「金言」に何かを感じたら、その言葉が生まれるに至った長い長い経緯をイメージしていただきたい。そして、そんな努力を払えない自分にまず絶望してほしい。だがその絶望は、長い努力を払える対象や目標に出会ったときに、必ず希望に変化するはずだ。」(参考文献2:P4~5)
(3)佐々木試論『働く喜び、学ぶ喜び、遊び喜び』の三喜計画はいかがですか
図1:「人生3分法」のライフステージイメージ
準備期( 0~20歳)動物から人間への家庭教育、学校教育、地域教育で成長する時代
Ⅰ期 (21~40歳)大人として仕事で生きる職業能力実践習得、家族形成の時代
Ⅱ期 (41~55歳)領域一番で日本・世界で活躍し、子供の高等教育をする時代
Ⅲ期 (56歳~生涯)個人の適性・生き方に沿って、「生涯現役社会」に生きる時代
私は今年の正月に、「生きる喜び」は何かと自分と対話して、「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」という言葉が浮かびました。そして、BIエッセイ『2010/01/12 2010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く-2010年は「再スタート元年」-』を書きました。(詳細はこちら>>)
その中で、働くことについて、「人生3分法」による働く喜び計画を提案しています。その一部を再録して紹介します。
「2007年にはBIP講演・教育研修のテーマ『夢とアイデアに恋した生き方-75才職業時代のキャリアデザインを考える』を提案しています。この中で、大人になってからの人生を上記図のように3期に分けて、75歳職業時代のキャリアデザインを提案しました。高齢化社会への変化と自分自身の生き方の実体験から生まれた素直な気持ちであり、熟慮の結果でもあります。
昨年の暮れ、日刊工業新聞2009年11月23日号12面の「書窓」記事を見てビックリしました。日本弁理士会会長筒井大和(つつい・やまと)氏が「人生三分法」を説いた民法学者末川博氏(元立命館大学学長)の自叙伝『彼の歩んだ道』を紹介する内容だったからです。人生の岐路に立った大学2年の時、大きな影響を受けたと述べていました。私の「人生三分法」と、ほとんど同じ考え方に触れ、大変うれしい思いをしました。ちょっと長いですがその記事を引用します。
『著者が掲げる「人生三分法」は一日24時間を三つに分け、8時間は眠り、8時間は働き、8時間は自分のために使うという提案だ。人生を75年とし、25年区切りの三つの期間に分け、25歳までは人の世話になって一人前にしてもらう期間、50歳までは世の中で何かに奉仕して働く期間、50歳から後は、自分の好むところと適するところに従って使える期間と提唱している。折りに触れては、この「人生三分法」を思い出し、人生の区切りをつける目安となっている。50歳を超えた今、三分論を自分なりに咀嚼し、「これまで勉強や仕事でお世話になった親兄弟や社会に対して恩返しをする時期」と位置付けた。末川氏が本書を書いた時代よりも人間が長生きできる現代では、例えば65歳以降に自分の人生を楽しむ「第4の期間」を設定してもいいかもしれない。』」
勤労感謝の日は、自分の仕事を振り返り、自分への感謝の言葉をかける日であっても良いと思いました。皆様はどうお考えでしょうか。
以上
(参考文献1)
1.日本経済新聞 2010年11月20日号朝刊
2.村上龍 著、テレビ東京報道局 編『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言』
(日経ビジネス人文庫 2009年2月 第1刷)
3.村上龍 著、テレビ東京報道局 編『カンブリア宮殿 村上龍×経済人1 挑戦だけがチャンスをつくる』(日経ビジネス人文庫 2009年12月 第1刷)
4.村上龍 著、テレビ東京報道局 編『カンブリア宮殿 村上龍×経済人2 できる社長の思考とルール』(日経ビジネス人文庫 2010年10月 第1刷)
5.佐々木昭美 BIエッセイ2009/04/27 GW1日は読書。村上龍『無趣味のすすめ』の挑発的タイトルの真意は?
6.佐々木昭美 BIエッセイ2010/01/12 2010年初夢(個人編):「働く喜び、学ぶ喜び、遊ぶ喜び」の生きる喜び「三喜計画」を描く-2010年は「再スタート元年」-
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