佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2009/12/21 <ツイッター風140文字コメント付き>年末年始におすすめする本20冊

 皆さま、BIエッセイを1年間ご愛顧ありがとうございました。今年最終号をお届けします。
 
皆さまのご声援、ご意見がたくさん寄せられた1年でした。元気をもらい、多くの気づきや改善につながりました。お陰様で毎週休まずに執筆し、月曜日(祭日・休業日は翌日)定期的に掲載できました。2010年は、仕事始めである1月4日(月)より開始いたします。

 年末年始は、皆さまもきっと本を読む時間のある季節の一つですね。ちょっとした時間の合間に2~3冊の方、絶好時とばかり10冊以上買い込む方もいるかもしれません。そんな時、私も市販ブックガイド、新聞・雑紙書評はとても大切にし、役立てています。そして、本屋で手にとってじっくりと見ることにしています。それでも思い違いや視野狭窄(きょうさく)は当然であり、やはり私は多読派です。

今回は、仕事柄、また趣味で2009年読んだ本の中からおすすめの本を20冊紹介します。小説や専門分野は省略。合わせて「ツイッター」形式を真似て140文字以内のコメントを書いてみました。レストランをインターネットで探す時のお客様コメント、すなわち口コミと思って気軽にご活用頂ければ幸いです。

それでは、健康を大切にして、良き新年をお迎えください。

参考書籍20冊

(1)福岡伸一『動的平衡』

 (木楽舎 2009年2月 定価1,524円)

 難しそうなタイトルですが、誰でも気軽に読めますよ。「生命とは何か?」に正面から回答。食べたものは分子レベルですべて置き換わる。「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである。」分子生物学教授の福岡伸一氏が生命現象・人間科学の見方を変えた。  

(2)文藝春秋SPECIAL季刊冬号『健康への道~こころとからだの処方箋』

 (文藝春秋社 2010年1月 定価1,000円)

 有名人が自分の病気体験を語り、心と体の健康を一緒に考える。吉行和子「くよくよしないこと」、都はるみ「歌うことって、体にいいですよ」、宮本輝「糖質制限食」、米長邦雄「前立腺ガン、この一手」・・・本100冊分の価値ある健康エッセイ集は楽しい。

(3)曽野綾子・結城了悟『愛のために死ねますか』

 (中経出版 2008年9月 定価1,500円)

 「200万部のミリオンセラー、『誰のために愛するか』の著者・曽野綾子氏と、「日本二十六聖人記念館」初代館長・結城神父が語る「人間関係」を取り戻すための珠玉の対談」。表紙帯の紹介文である。愛という言葉の意味を改めて考えるのは大切だと思いました。

(4)林成之『ビジネス<勝負脳> 脳科学が教えるリーダーの法則』

 (KKベストセラーズ 2009年2月 定価695円)

 新人ビジネスマンもすらすら読める本ですよ。北京オリンピックでの北島選手はじめ日本水泳陣活躍はご存知でしょう。その専門アドバイザーであった林脳神経外科医が語る最新脳研究の成果。経営学への科学的貢献は絶大。『脳に悪い7つの習慣』はその姉妹編。

(5)小菅正夫『<旭山動物園革命>-夢を実現した復活プロジェクト』

 (角川書店 2006年2月 定価724円)

 北海道旭川市職員が成し遂げた世界動物園史に輝く偉業だと思う。最北端で瀕死の旭山動物園を、年間300万人が訪れる日本一元気な動物園に変革した小菅元園長が語る復活劇。柔道育ちの獣医が語る動物園人生への思いは、骨太かった。
  
 ・BIエッセイ2009/02/16 映画『旭山動物園物語―ペンギンが空をとぶ』を観ましたか
  詳細はこちら>>
 ・BIエッセイ2009/09/28 秋美遊① 待望の旭山動物園探訪と札幌美術館散策
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(6)平野暁臣『岡本太郎 「太陽の塔」と最後の闘い』

 (PHP研究所 2009年9月 定価760円)

 ピカソを超えること。読んで日本が生んだ世界に誇る唯一無二の芸術家 岡本太郎さんへの誤ったイメージが変わった。実像を伝える岡本太郎記念館平野館長の熱き思いが伝わる好著です。太郎さん、妻敏子さんの共著『愛する言葉』も熱い。一緒にお薦めです。

 ・BIエッセイ2009/10/26 秋美遊③ 南青山スポット:新創・根津美術館の静、岡本太郎記念館の動が誘う
  詳細はこちら>>
 ・BIエッセイ2009/11/16 共鳴する偶然の出来事
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(7)隈研吾(くまけんご)『自然な建築』

 (岩波書店 2008年11月 定価700円)

 世界から引っ張りだこの隈研吾氏「和風建築」をサントリー美術館、根津美術館で観ました。門外漢に、建築・材料・内装・照明など建築環境デザインの楽しく深い意味を教えてくれた本です。美術鑑賞趣味の私に、建築美鑑賞へ広がる刺激を注入した。

 ・BIエッセイ2009/08/03 夏美遊①隈研吾氏設計サントリー美術館「美しきアジアの玉手箱」鑑賞&リッツ・カールトンホテルの夕べを楽しむ
  詳細はこちら>>
 ・BIエッセイ2009/10/26 秋美遊③ 南青山スポット:新創・根津美術館の静、岡本太郎記念館の動が誘う
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(8)立花隆、佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方――必読の教養書400冊』

 (文芸春分 2009年10月 定価940円)

 普段教養書は読まないという方も、実はTV・新聞・雑紙で語られる「教養」に無防備でありませんか?「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が選んだ教養書ブックガイドです。教養は、東洋西洋リーダーに共通する平和的武器ですね。

(9)竹中平蔵『政権交代バブル 重税国家への道』

 (PHP研究所 2009年11月 定価952円)

 民主党鳩山政権の経済財政政策で日本と国民は元気になるのか?デフレ・財政赤字・不良債権の経済危機時、バラ巻きでない経済金融政策で経済再生実現した小泉内閣の元経済財政・金融大臣竹中平蔵氏の緊急提言!「政権交代バブル」の崩壊を懸念。   

(10)原口泉『龍馬を超えた男 小松帯刀(こまつたてわき)』

 (グラフ社 2008年4月 定価1,300円)

 明治黎明期の群像にスポットライトが当たる。小説や映画・TVから見る歴史上の人物だけで、歴史の知識を閉じないで居たいと思う。坂本龍馬を超えた知られざる薩摩藩名宰相小松帯刀を忘れてはいけないと教えられた。原口氏は、時代考証家である。
   
 ・BIエッセイ2008/10/14 TV『篤姫』が“尚五郎さん”と呼んだ、『龍馬を超えた男 小松帯刀』
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(11)上田惇生著『ドラッカー 時代を超える言葉~洞察力を鍛える160の英知』

 (ダイヤモンド社 2009年10月 定価1,500円)

 今年11月は、ドラッカー生誕100年。ドラッカー学会代表で、ドラッカー主要著作の翻訳者である上田惇生氏が膨大で広範なドラッカー英知の百科全書を目指した好著を出版。「マネジメントの父」の英知を網羅的に知る初心者も読みやすい本です。

 ・BIエッセイ2009/11/30“マネジメントの父”ドラッカー生誕100年:今も経営を動かすドラッカー
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(12)丸山瑛一監修、理化学研究所知的財産センター篇『理化学研究所の挑戦 産学技術移転の新モデル バトンゾーン』

 (日刊工業新聞社 2009年2月 定価2,000円)

 理化学研究所を訪問する機会があった。バトンゾーンという言葉で、男子400mリレー銅メダルを思い出した。理化学研究所と産業界との技術成果移転のしくみをバトンゾーンと呼ぶ。ノーベル賞受賞者の野依良治理事長は、「社会の中の理研、社会のための理研」と先導する。
  

(13)牟田 學 『打つ手は無限―変貌する社長業』

 (サンマーク出版  2007年2月 定価2,000円)

 「打つ手は無限」とは凄い言葉だと思う。激変時代に用意した言葉と思う程に感動する。社長に贈る社長専門コンサルタント牟田氏の厳しいが暖かいメッセージには、実際的アドバイスが満載されている。まず社長自身が複眼思考で変化を掴めと諭す。

 ・BIエッセイ2009/02/02 打つ手は無限
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(14)スティーブン・レヴィ『iPodは何を変えたのか?』

 (ソフトバンク クリエイティブ 2007年4月 定価1,800円)

 2009年「過去10年トップ経営者」に選ばれたAppleスティーブ・ジョブズ氏。CEO復活からiPod成功までを詳細に追った良書。Sonyウォークマンを超える「かっこいい製品」と有料音楽配信サービスの組み合わせで世界一ビジネスモデル創造の顛末は興味深い。

 ・BIエッセイ2009/09/14 読書の秋③ iPod・iPhoneと連続するAppleビジネスモデル創造の秘密を探る
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(15)柳井正『成功は一日で捨て去れ』

 (新潮社 2009年10月 定価1,500円)

 2009年「社長が選んだ2009年日本一社長」に断トツで選ばれたファーストリテイリンググループ(ユニクロ)会長柳井正氏。世界5兆円企業への本気度を示す社内メッセージ公開本を出版。数十億円を世界幹部育成に投資する。日本人への熱きエールでもある!

 ・BIエッセイ2009/10/19 ユニクロ5兆円実現を目指す、経営者200名養成計画に寄せて
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 ・BIエッセイ2009/11/16 共鳴する偶然の出来事
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(16)渡部昇一『渋沢栄一『論語と算盤』が教える人生繁栄の道』

 (致知出版社  2009年3月 定価1,500円)

 中国政府が世界に「孔子学院」を広げていると聞いて驚いた。孔子と儒教を否定して孔子像を破壊した共産党政府が、道徳荒廃の立て直しに『論語』を求めた。世界中から模範とすべき偉人として日本からただ一人挙げられたのが渋沢栄一という。 
 
 ・BIエッセイ2009/11/02 文化の日:空海の生き方と渋沢栄一『論語と算盤』
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(17)津田邦和・徳納尚成・辻康博・中山五輪男・齋藤壽勝『モバイルSaaS スマートフォンの衝撃』

 (リックテレコム 2009年3月 定価2,200円)

 子供からおばあちゃんまで、携帯で写真・メールできる日本はモバイル未来島。人気のスマートフォンは個人市場と共に、法人市場も塗り変える。業界をモバイルSaasプラットフォームとモバイル端末プラットフォームに区分して関連する技術とビジネスを論ずる。

 ・BIエッセイ2009/06/22 2009年は、モバイルブロードバンド爆発元年!1999年固定系ブロードバンド爆発から10年
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(18)松岡正剛『多読術』

 (筑摩書房 ちくまプリマー新書 2009年4月 定価800)

 待っていた読書の達人による読書方法論。インターネットによるブックナビゲーション「千夜千冊」で有名な松岡正剛氏。「読書は、著者と読者のコラボレーション」という新しい見方を提示する。読書は「自己編集」で、「相互編集」いう気軽な読書提案にホッとする。

 ・BIエッセイ2009/05/11 言葉力を求めて-小椋桂『言葉ある風景』・齋藤孝『1分で大切なことを伝える技術』・松岡正剛『多読術』に出会う
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(19)久恒啓一『図解仕事人』

 (光文社 2001年12月 定価680円)

 日航マンから宮城大学教授に転身して図解コミュニケーション学を確立した久恒啓一氏。今や日本の産公学全般に広がる「図解思考」。2008年4月より多摩大学経営情報学部教授。またNPO法人知的生産の技術研究会理事長として活躍中である。

 ・BIエッセイ2009/05/18 絵図力・図解力の効用を学んだ“私の図歴書”
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(20)齋藤孝『1分で大切なことを伝える技術』

 (PHP研究所 2009年1月 定価720円)

 「言葉はチャンス」だが、長話は御免が常識。忙しい人への提案は短いほど喜ばれる。1分なら待ってくれると皆さんも思うでしょう。大切なことを1分で伝える技術は練習で身につくという。私も参考になって練習中。この本読めばすぐ実行できる内容が嬉しい。

 ・BIエッセイ2009/05/11 言葉力を求めて-小椋桂『言葉ある風景』・齋藤孝『1分で大切なことを伝える技術』・松岡正剛『多読術』に出会う
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 以上、 本との素敵な出会いの参考になれば望外の喜びです。

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