佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2007/12/20 いい日旅立ち
先週、忘年会の2次会があり、勧められるままに、しばらくぶりでカラオケを5曲も歌いました。二人の娘たちがカラオケ好きで、家の近くのカラオケ店に3人で出かけ、2時間楽しく歌い続ける時間が10年位前までたまにありました。二人ともに、就職や学業で家を離れており、ファミリーカラオケは、しばらくご無沙汰しています。
先週、歌った山口百恵「いい日旅立ち」には、忘れられない貴重な思い出があります。
まず、曲の始めを書いてみます。
『いい日旅立ち』 谷村新司 作詞/作曲
雪どけ真近の 北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を さけぶとき
かえらぬひとたち 熱い胸をよぎる
せめて今日からひとりきり 旅にでる
ああ 日本のどこかに
わたしを 待ってる人がいる
いい日旅立ち 夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた 歌をみちづれに
コープさっぽろで人事MGRを数年担当しました。当時、高校卒の男女新卒人材を100名前後を採用していました。
札幌市南区のある公立高校に1時間の講演に招かれました。就職組の高校3年生に就職に向けて心の準備と同時に、何か特別に準備する必要があるのかを聞きたいという趣旨だったような気がします。
その時の講演のタイトルをいろいろ考えて「いい日旅立ち」としました。大学・短大進学が増加し、就職組は、進学組に比してちょっと寂しい気持ちのする時代が始まっていました。
就職した後のことを話しても、そう理解できるものではありません。特別の勉強はいらないので、残りの少ない高校生活を充実して過ごしてほしいと述べたと思います。
職業について、人生について、その成功について、高校生にどう話したら良いのか。30代だった私が考えたのは、「笑顔と夢をもつ」というキーワードでした。君たちを待っている人たちが必ずいる。そのことを理解できないかもしれないが、「いい日旅立ち」の歌を忘れないでほしいと思いました。それが、人生成功と希望の星であると思っていました。ロマンチスト気質が、当時からあったようです。
生徒たちは、講演のタイトルに興味を持ち、始め真剣そうな表情が少しづつ和らぎ、笑顔がでてきました。私自身が仙台の大学を卒業後、故郷の宮城県を離れ、研究者の道をめざして札幌にきて、挫折しました。しかし、新しい職業の中、全力で働き、その分野で日本一になると必死で勉強しました。新しい成長をしつつあったと思います。挫折から立ち直っていましたが、挫折の痛みそのものは春に雪が溶けるように消えるものではありません。
生徒たちの笑顔を見て、講演をして良かったと思いました。先生は、how-toの一部を期待していたようで、ユニークで良かったという表現で御礼されました。もしかしたら、私は自分の子供たちだと思って話していたのかもしれませんね。抱きしめてあげたいくらい愛らしい高校生たちだったと温かく思い出されます。
今年、1月5日にBIPを設立しました。
私の第3の職業への旅立ちでした。
約1年経って、本当に良かったと思っています。
過去との別れは、さみしいし、残念なことも多くありますが、新しい旅立ちは、新たな素晴らしい出会いや出来ごとをたくさんもたらしてくれます。もちろん、懐かしい知人との温かい再会もありました。
2007年の「いい日旅立ち」に感謝します。
多くの方々の温かいご厚情とご支援に深く感謝申し上げます。
皆様、ご自愛の上、良い年をお迎えください。