佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2007/10/11 ポストIPO企業の第2、第3の成長を期待する
今年7月から始めて、第10回目のBIエッセイである。1月にBIPを設立し、第2、第3の成長による企業価値向上への貢献をミッションに掲げて活動している。少しづつだが、BIPへの理解が浸透しつつある印象を受けており、大変ありがたい限りである。
最近、IPOをめざす企業の経営者と話す機会が増えている。投資の依頼をされることもある。同時に、ベンチャー資本市場低迷を心配する声もある。
世界的には好景気を持続している。日本も好景気が続いている。しかし、欧州、米国、アジアの資本市場の回復と成長、また、相対的地位をみると日本の資本市場の立ち後れの観が否めない。
日本には株式上場している会社が数千社あります。更に、多くの大企業、中堅企業、ベンチャー企業が、IPOをめざしている。
多くのIPO企業が、第2、第3の成長で企業価値向上をめざすが、成功する企業はまだまだ少ないのが現実である。特にベンチャー市場は、事業目標を達成できない企業が続出し、情報開示などコンプライアンス違反の発生で信頼を失い、低迷が続いている。
ポストIPOの成功戦略の基本は、事業の持続的成長とコーポレートガバナンスの両輪である。しかし、これは言葉で言うほど簡単でないのも事実であるが、王道であると考えると、真剣に、スピーデイーに進む以外ない。
IPO自体が目的という会社は、表向きないと思われるが、実際は近い会社がない訳ではなく、資本市場の優勝劣敗を厳しくすべきという意見ももっともな面がある。しかし、規制強化で企業の持続的成長が進む訳でもないのも自明である。
株主と経営チームが、真剣に成長に向けた自己努力を進める以外に道はない。
必要であれば、M&Aによる効果も期待して当然である。
BIPは、BI=事業開発を会社の名称にするなど、この課題の必要性と重要性を理解し、更にその困難さも自覚している。一緒に考え、共に成長したいと思っています。
BIPは、講演で相互啓発のメニューを用意しています。以下、骨子を紹介します。
◆講演テーマ
「大企業、中堅企業・ベンチャー企業のIPO、ポストIPO成功戦略を考える」 -持続的成長とコーポレートガバナンスの両輪-
◆講演要約
(1)何のためにIPOをするのですか?
1.企業成長のエクイテイ資金調達
2.パブリックカンパニーの意味
(2)企業の持続的成長=事業開発の連続
1.事業ビジネスモデル開発
2.技術開発戦略
3.人材開発
4.顧客開発
(3)コーポレートガバナンス
1.取締役会、監査役会の構成
2.社外取締役、社外監査役の役割
3.強力な執行体制
4.CSRとコーポレートガバナンス
グッドビジネスとグッドガバナンスは両輪である。原点に返って、ポストIPO企業(上場企業)の成長による企業価値向上に期待したい。