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2012/11/01 第14回「仕事力アップ術 シリーズ⑤ (石黒啓司)■日本企業を衰退させた平目な部課長への『檄』ビジネス挑戦の基本姿勢、そして志とは・・・」

 このコラムに原稿を書き始めたのは 、2年前、2010年の10月でした。
その時に感じた危機感が、正に現実となって来ていることに今、脅威を感じます。
2年前、私は 『働き盛りの部課長さんに元気が無いこと』 を懸念する提言でこのコラムをスタートしました。

2年前の原稿の蒸し返しではありません。
でも、昨今の事象を鑑みると、改めて申し上げるべきと思い、加筆して皆さんに再提言させて頂きます。

単なる批判論と受け止めるのも良し・・・。 しかし、この2年間、日本の経済・企業
が衰退を続けた原因、そして脱出策のヒントがここにあると信じて疑いません。
例えば日本の家電業界の衰退、サムソン、Appleの独り勝ち・・・構造的な現象と片付けるのは間違いです。
企業のトップの姿勢は勿論ですが、部課長さんの挑戦心・志が問われているのです。


今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。
構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。
これらの打開には先ず、戦略力・創造力・統率力などの仕事力が必須。
毎月、至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。


■先ず始めに・・・危機感について
今、日本の政治・経済・社会に蔓延している停滞感は何処から来ているのでしょうか。
グローバル展開、社会・経済構造の変化の中で日本の経済力(企業力)将来性が大きな転換点に来ていることには言を待ちません。

これは先進国全体が抱える深刻な課題でもあり、発展途上国の急伸を含めた大きな課題と言えます。

冒頭から幕末の志士のような大上段に構えた表現で、僭越かつ恐縮ですが、これが率直な私の実感です。

政治のせいにしたり、企業の在り方や経営者を責める論調が多く見受けられますが、実質的に企業に所属している我々自身にも問題があるのではないか・・・と痛感しています。

私は、それぞれの立場で『新しい挑戦』とそれを支える『志が不足』しているような気がしてなりません。
『挑戦心』と『志』の不足は企業にとって様々なデメリットを誘発します。
例えば先々を見た長期的戦略の不在、品格を失って目先の利益評価に走り開発投資をないがしろにする、リストラや肩叩きを恐れて上司に反論も提言もしない面々・・・等々。

会社は人の集まりです。  これらの風潮が最終的に企業力の低下に繋がっているのではないかと言う危機感をベースに今後のお話しを進めて行きます。

■ ・平目とは・・・ある会社の実例 (下図参照)
コラム

これはある企業の部課長さん向け企業力アップ講座で使った資料で、『志』についてお話した非常に辛口の指摘です。

部課長さんのみ出席の講座だったので、先ずは企業トップの在るべき姿を部下目線から見た話でスタートした処、皆さんそこまでは神妙かつ賛同の姿勢で聞いていました。

しかし、いきなり 『私、平目です・・・』 の資料を提示してどんな反応を示すか、とても興味深かったのですが反論や批判続出!と思いきや、意外にもニヤニヤ笑って受容している方ばかりなのには正直言ってびっくりしました。  

『現実は甘くない』とか『正論でも通らない現実がある』などが返ってくると思ったら、上司に反論しない自分のちょっと情けない後ろ姿をキチンと自覚していると言う事実に驚いたのです。

確かに昨今の厳しい雇用状況からクビにならないことが大事で半ば諦めの境地なのが手に取るように分かりました。

■しかし、敢えてここで声を大にして皆さんにお伝えしなければなりません。

①企業は10年経ったら売上品目の半分が変化する位でないと生き残れません
 (常に何かに挑戦し続ける、続けさせる姿勢が企業には必要なのです)
②好況の時は荒天準備=体質強化、コストダウン、不況の時こそ好天準備=開発・人事投資
 (会社の尻馬に乗って開発投資や人材育成を抑制するのがあなたの仕事ですか?)
③それぞれのポジション、立場での責務を本当に遂行しているか常に見直すこと
 (年に2,3でも良い。パルスの立った自己挑戦をそれぞれの立場で実現してますか?)

※ 要は新しい挑戦を常にしているかどうかが企業力の活性化の源です。


■そして、その挑戦を実現するには『強い志』と『仕事力』が大切です。

①提言すべきことは上司だろうが経営トップだろうが明確に提言・反論する
 (王様の耳はロバの耳・・・は会社をつぶします)
②その為には日頃からの信頼を築いて置く努力が必要
 (説得力のない提言は、志や勇気ではなく、向う見ず・・なだけ)
③具体的には仕事力(戦略力・創造力・企画力・統率力)を常に磨く努力をする


■初回の今日は、あるべき姿、精神論、の印象が強いかも知れません
 今後も出来るだけ多くの実例を基に、如何に仕事力を高めるか皆さんと一緒に考えてこのコラムを充実させて行きたいと考えますのでご意見、ご提案を含めて宜しくお願い致します。

thumbnail_otsuka石黒 啓司(いしぐろ けいじ)

コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)

今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。

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