2012/09/01 第13回「仕事力アップ術 シリーズ④ (石黒啓司)■ブレスト主催の秘策」
新年度から 『仕事力アップ術』 をテーマにお送りしていますが、実務遂行上の能力アップだけでなく、一歩先を行く成長とのバランスを考え、新たに 『経営戦略』 と『商品戦略』を加えた3部構成で適宜、お送りします。今回は、仕事力アップ術の第4段、ブレスト主催の秘訣 がテーマです。
1.ブレストの基本とは?
改めてブレイン・ストーミング(Brain Storming) の語源を調べて見るとこんな記述がありました・・・(@IT情報マネジメントより)
①小グループによるにアイデア発想法のひとつ。
②参加メンバー各自が自由奔放にアイデアを出し合い、互いの発想の異質さを利用し、連想を行うことでさらに多数のアイデアを生み出すと言う集団思考法・発想法のこと。
③その背景には“本人にとってはつまらないアイデアに思えても、ほかの出席者には別の素晴らしいアイデアをひらめかせるかもしれない”という考えがあり、自由な発想で、ほかのメンバーの頭脳に刺激を与えることを狙う。
④米国の広告代理店(現BBDO Worldwide Inc.)の副社長のAlexander Faickney Osborn)が1940年前後に考案したもので、「頭脳に突撃すること」・・・とあります。
要は、『頭脳の中を嵐が通り過ぎるがごとく様々な意見を出して発想する場』がブレストの本質です。
2.ブレストの成果とは・・・?
通常の会議のように、明確な目標があり、それに向けて各部門が一体でそれぞれの課題を報告、審議、決済を得るものとブレストは全く違うモノと考えるべきでしょう。
ブレストは事業や商品、経営や組織・人事が行き詰まったり、ブレークスルーが求められる場合など、『漠然とした大きな課題』のような場合に効果のある手法です。
従って、ある意味では 『調査・分析・企画案・主張・意思決定や論議の場』ではなく『自由な発想を出し合って相互に発想を高める場』です。
それ故に、『結論を出す場』ではなく『捉え方を創造する場』と言えます。
ここで結論を急ぐ運営をすると失敗することになります。
結論は後々に社内の然るべきステップで決定すれば良いので、それらのステップに対して発想を広げてヒントを提供する場と考えましょう。
こう書くとカッコ良く聞こえますが、主催して見るとなかなか奥の深い、結果が得にくい代物です。
先ずは、私の数十回のブレスト開催経験から得た 『ブレストの秘訣1』 をご覧下さい。
とは言え、創造力豊かな意見、ユニークな意見、異業種に見る参考例、破天荒な意見を如何に引きだすか・・・それは主催者の努力次第です。
ブレストの準備、ツール紹介、運営方法・・・これらを限られたコラムで語り尽くすのは至難の技なので、ここでは数十回のブレストを運営した経験から、皆さんへ参加者の活性化に的を絞って秘訣をご教示させて頂きます。
3.メンバーの参加意識アップ + 活発な意見、提言の用意 = ブレストの活性化
予めテーマを明確にし、参加者が提言を用意しやすい形で運営する・・・これが主催者の秘訣です。
メンバーが準備なしで 『お客様気分』 で参加するのではなく、自ら考えて多くの発想を用意させるには 『自分仕事と他人仕事の行動習性』 を刺激するのが一番良い方法です。
以下、2枚のチャートをご覧ください。
ポイントとなるのは・・・
■メンバーに、 『 他人仕事 』 でなく 『 自分仕事 』 の意識を持たせること。
■その為には事前に課題や回答フォーマットを用意するなど工夫をすること。
■小グループに分けて事前にGpリーダーをアサインして緊張感を持たせること。
4.参考資料
以下に、『 タブー集・ヒント集 』と、ブレストに便利なツールとして『 KJ法 』のご紹介を整理しましたのでご参照ください。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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