2012/07/01 第12回「仕事力アップ術 シリーズ③ (石黒啓司)■フレームワークの大切さ」
新年度から 『仕事力アップ術』 をテーマにお送りしていますが、小手先の能力アップだけでなく一歩先を行く成長とのバランスを考え、新たに 『経営戦略』 と『商品戦略』を加えた3部構成で適宜、お送りして行こうと考えています。今回は、仕事力アップ術の第3段、フレームワーク がテーマです。
1.フレームワーク って何?・・・
『仕事の骨格・構造』 を整理し、常に全体像を考えながら進める手法を言います。
フレームを直訳すると=枠?。
枠に嵌まった仕事・・?・・ と受取ってしまうと、第一印象が良くないですが、ここで狙うフレームワークとは、良い意味で、仕事の骨格を定めてからスタートすると言う大切な手法です。
2.フレームワークの効果とは?・・・
①テーマを俯瞰する効果
あるテーマを与えられた時、あなたならどうしますか?
とかく先入観が先に立ったり、周囲の評論に惑わされたり、裏付けのない情報の中、漠然と動き始めてしまうことが多くありませんか?
先ずは全体像を俯瞰する・・・それがフレームワークの最大効果です。
②冷静な状況判断の為の明確化
先ず出来るだけマクロに捉えて、整理・調査してみましょう。
・事業計画上の位置付け (規模の認識・期待度)
・目標の明確化 (単に数値だけでなく、最終成果の狙いは何か)
・通常業務の延長か、新規ビジネスか、新たな ROI(投資効果)分析など
・Opportunity & Risk 分析 および その対策
・クリアすべき商品技術、コスト、納期、組織体制、運営形態、人材など業態に依って様々な要素があると思いますが、それぞれの重要な要素を整理することでそのテーマの在るべき姿が浮き彫りになって来ます。
③マスタースケジュールで進捗確認する効果
フレームワークの運営で重要なのは日程管理です。
上記の項目が見えた段階で、マスタースケジュールに落し込み、メンバー全員でシェアし、達成意識の高揚、進捗確認に活用しましょう。
④全体像を報告に活用出来る効果
テーマの規模にも依りますが、必須項目や日程進捗など報告の機会を積極的に設け、上司や関連組織への積極的なアプローチはテーマに対する評価を高めます。
⑤軌道修正に活用する効果、履歴が残る効果
原案があれば軌道修正も楽だし、その履歴も明確に残り、貴重な資産になってくれます。
3.副産物としての効果
①自部門だけでなく、他部門との連携が取り易い
②ポカミス、ケアレスミスを防止出来る
③冷静なうちに、気配りの効いた進め方を整理し、多忙期の混乱の中でもタイムリーに確実な仕事が遂行出来る
■ここで下記のチャートをザッと眺めて見てください。
図式化されたメリットが、容易に理解出来ると思います。
また、今後、課題に直面した時も、このチャートが必ず役立つと思います。
4.総括・・・
言葉の羅列では分かりにくいかと思いますが、チャートを見れば、これらの効果がイメージとして浮かんでくると思います。
得てして、経験と直感だけで仕事をスタートしてしまうのが実情だと思いますがその場合、途中から軌道修正すると、全体の動きが不明確になったりメンバー間の現状認識に大きく影響して、効率が下がってしまいます。
またそれに伴い、ポカミスや、業務の漏れ・遅れも発生し勝ちです。
仕事上のテーマに対し、スタートする前からフレームワークを取り入れることで皆さんの仕事力アップのお役に立てば幸いです。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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