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2011/01/01 第3回「相手目線で仕事をする」

 あなたは大事な局面で 『相手の立場』 を想定して仕事をしていますか?

 今回は、私自身の商品企画経験を通じ、相手の立場に立った目線で仕事をすると大きな効果が出ることを、実例をベースにお伝えします。
これまで 『挑戦心・志とは』、『自主性を育む』 と続けて来ましたが、今後は実践で役立つテーマを選んでお送りします。
『相手目線で仕事をする』 ・・・これを機会に皆さんも一緒に考えて見ましょう。

■先ず相手の特性を知ること・・・(人を動かすには人を知る)

 取引先・社内・部内・課内・・・それぞれの組織には多くの部門があり、そこには様々な タイプの『人』がそれぞれの『持ち分』や『利害関係』の中で仕事をしています。

案件をスムーズに通したい時、それが如何に組織として正しいことであっても『人』から共感を得て、スムーズに動かすポイントが『相手目線』なのです。
そして、この習慣が身に付けばあなたの仕事力は大きく伸びます。

 次に家電業界の経験を例に整理した 『各部門・取引先の癖』 をご覧下さい。
パートナー広場石黒

 日頃から感じたことを独断と偏見で列挙したので、ご批判もあろうかと思いますが皆さんも、ご自分が感じたままに分析して見る事をお勧めします。それで何かが見え始め、相手の目線を理解することで効果的な仕事に繋がります。

では私の実例をご紹介します。

例①周囲が我々(商品企画)をどう見ているか・・・ひとり善がりの企画から脱却
 ・フル機能でなく、的を一本に絞った商品を提案したら設計が共感した。
 ・設計のジレンマ、悩みを共有し、解決に向けて一緒に悩んだら打ち解けた。
 ・キックオフ会議から打上げまで気配りを徹底したら仲間意識が芽生えた。

例② 市場の意見をどう掌握するか・・・誰に何を聞くべきか
 ・店の意見=顧客の意見ではないことに気付き、店の意見は商談・定番化の判断材料に絞って聞くことにした
 (顧客と多く接する店だが思惑や利害のフィルタで真の顧客意見ではない)
 ・顧客の意見はダイレクト調査に絞った(座談会・アンケート・店頭応援に集中)
 ・アンケートも、設問の方法に工夫をして本音を引き出す形式にした。
  (設問は誘導尋問になっていないか、構成に注意する)
  (インターネット回答はPC保有層なので、既に意見が偏っている認識・・・等)

例③ 営業・販売店とどう共生するか・・・正直に胸に飛び込んで一緒に伸ばす勝負
 ・営業は毎日の売上確保で多忙。 出来上がった商品を売るだけのマンネリ状況。
 ・販売店も同様にメーカーと距離感があり、儲かる商材にしか興味がなかった。
 ・但し、双方共に、売上拡大、新期需要開拓にかなり貪欲な面があった。
 ・そこで、新しいポータブルカーナビの販売を 『従来と別の営業部』 を通じて『カー用品店から家電店』に変えて売る、新しい展開に挑戦して見た。
 ・両者を巻き込んだプロジェクトを立ち上げ、一体感を持って導入計画を推進した結果、双方にとって、全く新しい売上を創造する Win Win の関係を得た。

■総括
 日常の忙しさに没頭してしまうと、得てして惰性と体力勝負で動き勝ちです。
 たまには一歩離れて『相手の目線』 に立って 『ひと工夫』 すると全く違う新境地が開けてくるものです。

 次に、少し砕けた形ですが 『相手の目線で仕事をするイメージ図』 を纏めて見ましたのでご参照ください。皆さんのそれぞれの立場で右側の部分を補正して使ってみると役に立つと思います。

※最後のアドバイス。 それは『評価は相手に譲る心』 です。

 せっかく成功しても、自分だけが評価を受けてスポットライトを浴びては相手目線も台無しです。成功した後自分を抑え、相手の評価に繋がる禅譲の心で動くと最高のクロージングになります。
 例えば、取材対応、インタビュー、社内報、表彰式、打上げの席、などで技術者やデザイナー、営業、販売店の皆さんを優先して壇上に上げる気配りであなたの謙虚さが更に引立ちます。実はこれで失敗している人が結構多いのです。

パートナー広場石黒

thumbnail_otsuka石黒 啓司(いしぐろ けいじ)

コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)

今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。

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