2010/11/01 第1回「挑戦心、そして志とは・・・」
先ず始めに・・・危機感について今、日本の政治・経済・社会に蔓延している停滞感は何処から来ているのでしょうか。
グローバル展開、社会・経済構造の変化の中で日本の経済力(企業力)将来性が大きな転換点に来ていることには言を待ちません。
これは先進国全体が抱える深刻な課題でもあり、発展途上国の急伸を含めた大きな課題と言えます。
冒頭から幕末の志士のような大上段に構えた表現で、僭越かつ恐縮ですが、これが率直な私の実感です。
政治のせいにしたり、企業の在り方や経営者を責める論調が多く見受けられますが、実質的に企業に所属している我々自身にも問題があるのではないか・・・と痛感しています。
私は、それぞれの立場で『新しい挑戦』とそれを支える『志』が不足しているような気がしてなりません。
『挑戦心』と『志』の不足は企業にとって様々なデメリットを誘発します。
例えば先々を見た長期的戦略の不在、品格を失って目先の利益評価に走り開発投資をないがしろにする、リストラや肩叩きを恐れて上司に反論も提言もしない面々・・・等々。
会社は人の集まりです。 これらの風潮が最終的に企業力の低下に繋がっているのではないかと言う危機感をベースに今後のお話しを進めて行きます。
・平目とは・・・ある会社の実例 (下図参照)
これはある企業の部課長さん向け企業力アップ講座で使った資料で、『志』についてお話した非常に辛口の指摘です。
部課長さんのみ出席の講座だったので、先ずは企業トップの在るべき姿を部下目線から見た話でスタートした処、皆さんそこまでは神妙かつ賛同の姿勢で聞いていました。
しかし、いきなり 『私、平目です・・・』 の資料を提示してどんな反応を示すか、とても興味深かったのですが反論や批判続出!と思いきや、意外にもニヤニヤ笑って受容している方ばかりなのには正直言ってびっくりしました。
『現実は甘くない』とか『正論でも通らない現実がある』などが返ってくると思ったら、上司に反論しない自分のちょっと情けない後ろ姿をキチンと自覚していると言う事実に驚いたのです。
確かに昨今の厳しい雇用状況からクビにならないことが大事で半ば諦めの境地なのが手に取るように分かりました。
■ しかし、敢えてここで声を大にして皆さんにお伝えしなければなりません。
①企業は10年経ったら売上品目の半分が変化する位でないと生き残れません
(常に何かに挑戦し続ける、続けさせる姿勢が企業には必要なのです)
②好況の時は荒天準備=体質強化、コストダウン、不況の時こそ好天準備=開発・人事投資
(会社の尻馬に乗って開発投資や人材育成を抑制するのがあなたの仕事ですか?)
③それぞれのポジション、立場での責務を本当に遂行しているか常に見直すこと
(年に2,3項目のパルスの立った自己挑戦をそれぞれの立場で実現する)
※ 要は新しい挑戦を常にしているかどうかが企業力の活性化の源です
■ そして、その挑戦を実現するには『強い志』と『仕事力』が大切です。
①提言すべきことは上司だろうが経営トップだろうが明確に提言・反論する
(王様の耳はロバの耳・・・は会社をつぶします)
②その為には日頃からの信頼を築いて置く努力が必要
(説得力のない提言は、志や勇気ではなく、向う見ず・・なだけ)
③具体的には仕事力(戦略力・創造力・企画力・統率力)を常に磨く努力をする
■ 初回の今日は、あるべき姿、精神論、の印象が強いかも知れません
今後も出来るだけ多くの実例を基に、如何に仕事力を高めるか皆さんと一緒に考えて このコラムを充実させて行きたいと考えますのでご意見、ご提案を含めて宜しくお願致します。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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