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2010/08/01 第7話「事業再生の必要な会社に見られる共通の傾向」

 先日ある会議で、産業再生機構で何社もの事業再生に長く取り組んできた方のお話を伺いました。“再生”。企業人としては耳にしたくない言葉ですよね。
今このコラムをお読みの方にはこんな背水の陣に置かれているような状況はほとんどいらっしゃらないでしょう。でも、不幸にもこのような局面になった会社でも、それまで相当な改善努力をされてきたはず。

 健全な会社は、“改善”や“改革”を掲げ、日々努力しています。一方、いわゆる“再生”が必要となってしまった不健全な会社は、日々の“改善”が目的に繋がらないものだったか、改善努力を怠ったのか、“改善”が“再生”という言葉に変わり、大がかりな手術をしなければならない状態になりました。つまり、この変わりつづける世の中では、いつだって、どの会社だって、‘改善’から‘再生’になってしまう可能性があるということです。

 何社もの事業再生を行ってきたこの方の経験の中で、“再生”となった会社には共通の傾向があるそうです。興味深い話でしたので、御紹介します。

参考資料
①事業戦略を何年も見直していない。
 誰にサービスを届け、どこで利益を生み、誰と競争するのか、それが見えていない、もしくは考えていない状況のまま続けている。また、社長にその戦略・ビジョンがあったとしても部下がそれを理解せず、組織として違うベクトルに走ってしまっている。

②既存のお客様の要望や、既存ビジネスだけに頼り、またそれを優先し、やった方がいいと思っている新しいことは後回し。
 これは、老舗会社に多い傾向のようです。顧客に対するサービス精神や自身の志に頑固に突き進む日本的会社に多いかもしれませんね。

③経営幹部が業績をこまめに見ていない。
 月1回の経営会議、でもそこで出てくる数字はおよそ1カ月前の業績結果。これでは異変に気づいた時にはもう遅い。業績の良し悪しにかかわらず、誰かが結果を常に見ているということは、組織の刺激にもなり、活力を上げることにも繋がります。
 今までやってこなかった会社がいきなり始めるというのはなかなかできないものですし、いざやろうと思っても、結果をみる環境ができていない場合もあるかもしれませんが、再生に陥った時のような(みなさんの会社はそこまで至っていないので、たとえば業績降下で改善が必要な場合と置き換えてみてください)衝撃を受けた時にこそ、始めるべきではないでしょうか。無理が言えるのも、こういう時かもしれませんね。

 この方が最後におっしゃっていました。リーダーの役割として、組織改革の要諦は、「達成感を味わう仕掛けを作ることだ」と。リーダーには、社員に冷たいと思われてもやらなければならない時、やらなければならない事があるのです。
組織で会社を運営するということは、甘えや優しさが、かえってもっと大きな不幸を招く場合もあるかもしれませんね・・・

 とくに問題を感じていない会社も、なんとなく感じている会社も、もちろん問題を抱えている会社も、今やっている事業がこれでいいのか、第3者的な立場に立って見渡してみてはいかがでしょうか。


🍀🍀🍀 ちょっとコラム 🍀🍀🍀

そういえば・・・・

先日ゴルフに行った時、その日はものすごく調子がよくご機嫌な私だったのですが、いきなり連続OBを出してしまいました。何度失敗しても、その日の調子の良さに甘んじて、同じクラブで成功するまで(成功すると信じて)打ち続けていました。その時一緒にまわっていた方が、「そういう時はすぐに違うクラブにして気持ちを変えるんだよ・・・」と一言。
これって会社の経営にも繋がることかもしれませんね。

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