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2014/06/02 【FC】「ニューヨーク最新小売業態視察ツアー」

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こんにちは。高木 仁(たかぎ ひとし)です。

5月14日(水)〜20日(火)に5泊 7日の日程で実施された、日本小売業協会主催のニューヨーク最新小売業態視察ツアーに参加してきました。アメリカ本土は12年ぶり、ニューヨークは初めての訪問です。流通視察に加えて遊びもありの、様々な学びのあったツアーでした。

ツアーの概要

ツアー概要 私の行動・感想など
14(水)

成田空港発(飛行時間:約13時間)
到着後、NY市内(マンハッタン)観光
(ブリッジマーケット、バッテリー・パーク、グランド・ゼロ、国連ビル、セントラルパークなど)
夜:ツアーメンバーと夕食

13時間の飛行時間はさすがに長かったです。映画を3本も見てしまいました。

到着後は意外と眠たさもなく、初めてのNYにドキドキ。

15(木)

オリエンテーションセミナー
NY市郊外店舗視察
(ハリマンコモンズ、ウッドベリーコモン・プレミアムアウトレット、ウェストチェスターモール、ステューレナーズなど)
夜:自由行動

時差ボケもなく快調。朝のセミナー、バス移動中の解説も非常に参考になりました。あるスーパーでは火災報知器が鳴り響いており、中に入れないというアクシデントもありました。
夜はビレッジ・ヴァンガードでジャズ。本場のジャズを堪能しました。

16(金)

ブルーミングデールズ百貨店での朝食ミーティング&店内視察
ミッドタウン地区(五番街)を中心に自由視察
夜:自由行動

ブルーミングデールズ百貨店では、オリエント急行の列車内を模したレストランでの朝食。とても優雅な時間でした。
店内を視察後、五番街を中心に視察。家族へのおみやげ探しも大変でした。
夜はミュージカル「オペラ座の怪人」を鑑賞。英語がNGな私ですが、最後のシーンでは感動してしまいました。良いものは、言語も超える?
劇場から出てきたら大雨。びしょ濡れに。。。

17(土)

ロワー・マンハッタン、ソーホー、ミートパッキング地区店舗視察
(ホールフード・マーケット、イータリー、メイシーズ、チェルシーマーケット、トレーダージョーなど)
夜:中華料理店にて、まとめセミナー&ディナー

マンハッタンの南側を中心に視察。メイシーズでは、注目していたオムニチャネルの状況を確認。その他、様々な特徴ある場所や店舗を視察して回りました。
夜は、まとめセミナー。参加者の皆さんは、それぞれ、様々な業種のお仕事をされています。それぞれの仕事に応じた様々な観点で視察され、感想を持たれていたことが興味深かったです。

18(日) 終日:自由行動

朝からメトロポリタン美術館へ。広すぎて全てを見ることはできません。それでも中のカフェでお昼を取り、4時間ほど美術館にいました。その後、気になっていたFC店舗などを見て回りました。
夜はディナークルーズへ。最終日の夜、綺麗な夜景を見ながら、ゆっくりと食事をいただくことができました。

19(月)
20(火)
NY発(飛行時間:約14時間)
成田着
PCで仕事をしながら、時々居眠りしながら。それでも時間が余って映画を2本見ました。

「オムニチャネル」「アメリカ市場への進出」

今回は、私の専門分野と関係ある「オムニチャネル」と「アメリカ市場への進出」の2つの観点に着目して視察してきました。

 

◯アメリカにおけるオムニチャネルとは?(専門分野:IT

アメリカでは、数年前から当たり前のキーワードとなっているオムニチャネル。最近は、日本でも同キーワードが出るようになってきました(※オムニチャネルの詳しいことは、別の機会にコラムで書きたいと思います)。日本では、昨年あたりからセブン-イレブンがこのキーワードを出しています。

今回は、オムニチャネル戦略の成功事例として、よく紹介されるメイシーズを視察してきました。入り口には、メイシーズのスマホアプリやWi-Fiの接続を紹介するステッカーがありました。その他の百貨店でも、店内のWi-Fi環境は整えられているようで、スマホのWi-Fi設定を確認すると、店名が入ったアクセスポイント名(SSID)が表示され、つなげればインターネットを利用できる状態でした。

オムニチャネル戦略は、顧客との関係性を密にし、顧客満足度を向上し、顧客生涯価値をいかに上げていくかというものであり、IT技術ありきで考えていては良い結果は得られません。しかし、IT技術を有効に活用しなければ、今の時代、勝ち残ることができないことも事実です。オムニチャネル戦略を「IT技術」から見たポイントは、チャネルをまたがった顧客情報の統合と在庫情報の一元化にあります。

アメリカの小売業におけるオンライン販売売上の比率は、日本に比べて非常に高いものとなっています。また、その推移も毎年伸びているようで、Amazonへの対策が結果として革新をうながしているようです。

 

◯アメリカ市場は進出先としてどうなのか?(専門分野:フランチャイズ)

第1回のコラム(https://www.bi-p.co.jp/column/414/)では、フランチャイズの歴史についてふれましたが、フランチャイズの起源は、1850年代のアメリカのミシン会社「シンガー社」であると言われています。これまでは、アメリカのFCビジネスを日本へ持ち込む動きが多かったのですが、最近は日本からアメリカへ進出するFC本部が増え始めています。

私がコンサルティングをした、あるFC本部はアメリカ進出に向けた準備を進めています。そこの幹部に「なぜアジア進出ではなかったのか?」という質問をしたことがあります。その時、以下のようにお答えいただきました。

「アメリカには様々な人種がおり、その市場規模はアジアとは比べ物にならない。また、アメリカで成功すればブランド力が増し、その後のアジア進出は容易になる」

アメリカ進出によって、そのノウハウが蓄積されます。また、アメリカからアジアへのFC展開がスタンダードな流れであり、アメリカで成功することで圧倒的なブランド力も手に入り、この流れが作りやすくなるということのようです。

魅力的な市場ではありますが、日本とは異なる市場特性(人口動態・構成、文化・歴史、法律、ビジネス習慣など)を捉えて対応していくことが必要となります。

視察で得た事例として、スーパー3社(A社、B社、C社)の例を紹介しておきます。

l A社は、最低年収層および低年収層の下位を中心に、『徹底的に低価格』を訴求して急拡大。その後、ターゲットを低年収層の上位、中年収層へと拡大し好調である。

l C社は中年収層の下位を中心に、『ちょっと良いものを適正価格』で提供することで急拡大。その後、低年収層の上位層にも拡大し好調である。

l B社はというと、A社とC社の間の層をターゲットとしていたが、両社に挟まれ業績を低下させている。

市場特性に応じた戦略を打ち出し・すぐに実行し・その変化にも素早く対応する力を持っていなければならないという、分かりやすい事例でした。これは、日本でも同様なことが言えますが、様々な民族が暮らし、そのうえ貧富の差が広がるアメリカ場においては、この結果が顕著に現れるものと感じました。

アメリカ(海外)進出の際に考慮すべきポイントを、あえて3つ挙げるとすれば、「異文化への理解」「現地パートナーの選定と理念の共有」「撤退基準を決めること」ではないでしょうか。

番外編

行きの飛行機のことです。NYまであと数時間というところで、最後の機内食が出されました。その名も「AirMOS」↓

野菜やソースが別々に出され、自分で作って食べるものです。野菜も新鮮に感じられ、とてもおいしくいただきました。なかなか面白いコラボレーションですね。

帰国後の2日間は時差ボケがひどくて使いものになりませんでした。しかし、非常に学びの多い視察でしたし、アメリカ(NY)という土地も魅力的な場所でした。また機会を作って行きたいと思います。

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thumbnail_takagi高木 仁(たかぎ ひとし)

コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)

私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。

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 高木コンサルタントの書籍 

  

●『フランチャイズ本部構築ガイドブック』(共著)同友館
●『よくわかる!フランチャイズ入門』(共著)同友館
●『フランチャイズマニュアル作成ガイド』(共著)同友館

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