2014/04/01 【FC】「なぜフランチャイズ本部になるのか?」
こんにちは。高木 仁(たかぎ ひとし)です。
我が家には娘が2人います。1人は4歳、もう1人は昨年の11月に生まれたばかりです。先月は「桃の節句」ということで妻の両親も呼び、我が家でひな祭りをしました。
子供が大きくなるのは早いものです。娘たちを見ながら、結婚式で大泣きする自分の姿を想像してしまいました。早すぎますか?(笑)
さて、今回は「なぜ企業はフランチャイズによる多店舗展開を図ろうとするのか?」という点について考えたいと思います。
■急速な事業規模の拡大(店舗の増加)
企業が事業規模を急速に成長させようとする場合、極めて有効な手段となるのがフランチャイズです。特に、現在持っている経営資源以上に店舗数を拡大しようとする場合には有効となります。
そもそも事業規模を急速に拡大するメリットは何でしょうか?様々ありますが、大きくは、次の2つが考えられます。
【スケールメリットの享受】
店舗数を増やすことでコスト競争力の向上につながります。例えば、大量生産・販売により原価を低減できます。また、仕入れ先などに対する交渉力が強まるということもあります。
【早急なブランド認知度の向上】
短期間に店舗数を増やすことで、消費者の目につく機会が増え、そのブランドの認知度を一気に高めることができます。成長市場であれば、その分野におけるトップリーダーになることも可能です。
しかし、事業規模を拡大(店舗増加)するためには、多くの資金と人材が必要となります。その企業の状況にもよりますが、短期間に多額の資金を自力で調達することは困難です。また、店舗運営ができるしっかりした人材を育成するには、ある程度のコストと期間が必要です。これは、資金調達以上に難しい問題かもしれません。
そこで、フランチャイズという手段が考えられます。フランチャイズは、加盟者が持つ資金や人材といった経営資源を活用できます。原則的には、店舗の出店費用は加盟者が負担します。また、本部が研修を通じて教育することが前提ではありますが、加盟者の人的資源を活用できます。さらに、優秀な加盟者であれば直営店以上の成績をおさめますし、その加盟者が更に複数出店をすることで多店化は加速されます。
■セブン-イレブンは国内に1万5千店舗
現在の日本において、コンビニエンスストア(CVS)は、我々の生活に欠かすことの出来ないインフラとなっています。そして、そのCVS業界を牽引しているのがセブン-イレブンとなります。
(株)ヨークセブン(セブン-イレブン・ジャパンの前身)が、米国サウスランド社とライセンス契約を結び、豊洲にセブン-イレブン1号店を出店しました(1973-4年)。その後、24時間営業、公共料金の収納代行、ATM設置、PB商品の展開、電子マネーnanacoの導入など、インフラとしての機能を次々に構築してきました。今では、本家本元のサウスランド社を買収し、世界規模の企業となっています。
下図は、セブン-イレブンのチェーン国内店舗数・売上高推移です((株)セブン-イレブン・ジャパンHPより著者編集)。
平成24年度末の店舗数は15,072店となっており、そのうちの14,638店が加盟店です(約97%)。セブン-イレブンが、40年間で、これだけの店舗数を実現できた理由は、フランチャイズシステムを採用したからなのです。
では、ここまでの世界的企業になった理由は「フランチャイズを採用したから」ということが要因の全てなのでしょうか。もちろん、それだけではありません。
なぜ、ここまでの企業になれたのか、それは次の機会にしましょう。
高木 仁(たかぎ ひとし)
コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)
私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。
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