2023/05/18 「フィリピン スービックだより」第31回 AIと英会話
こんにちは。BIPコンサルタントの中沢です。
先月2週間ほど日本に帰ってきたのですが、行き来の手続きが本当に楽になったと感じました。コロナ禍も事業継続でスービックに留まり、ようやく昨年末から語学留学をソフト再開してきたiYESとしてはありがたいことです。
前回コラム:「スービックにとどまる理由とは?」
フィリピン、日本双方でシステムへの登録はいまだ必要ではありますが、入力してしまえばもうそれでOK。出国、入国のチェックは本当にスムースでした。パンデミックのころのホテル隔離を懐かしく思い出しました。もちろんもう戻りたくはないですが。
そんなわけで空港も大忙しになっているようです。パンデミックで多くの人が空港での仕事を失い、需要が回復したからということでそのまま人材が戻ってくる、ということにはなりません。
そんな背景から、今iYESでは、日本語を習得した人が空港で働いてくれることを期待して、今週からフィリピン人への日本語トレーニングを開始しました。地元の市役所が主催という立場でリクルートし、iYESの講師が日本からオンラインでグループレッスンするという、今までにないやり方です。
市長にこの話を提案したのはもう5ヶ月前。だいぶ準備に時間をかけてしまいましたが、ようやくスタートできました。
日本にやってくる外国人の一部が悪いことをして社会に迷惑をかけ、また雇う方もひどい雇い方をするといったような話も実際あるわけですが、真にそうならないことを強く望み、そうならないように日本語以外の部分もトレーニングしていきます。私のそんな思いを、初日、25名の生徒を前に熱く語りました。
これまで、いろいろな形で日本語教育もやってきましたが、このスキームは新しく、初日からいろいろ細かな修正がありました。今の第1バッチである程度しっかり固め、3か月後の試験で実績を出さなければいけません。頑張ります。この話はまたいずれこのコラムで書ければと思います。
さて、今回は身近になってきたAIと英語について書いてみます。ChatGPTの勢いがすごいですね。2か月で月間ユーザー1億人を獲得とか。急速な成長です。他にも絵をかいてくれたり、音楽を作ってくれたりとクリエイティブの領域にもAIが。
そして、いろいろな仕事が代替されてなくなるとか、いろいろなことが無意味化するというように言われています。英語の勉強、英会話レッスンなどもそのうちの一つかもとも。
■読み書きではAIが活躍する場面が急速に増えている
iYESもたまに翻訳の仕事をいただきます。日本語を英語に、英語を日本語に、の双方です。これまでもまずはGoogle翻訳に放り込んで訳してもらい、前者はフィリピン人講師が手直しし、後者は日本語講師が手直しをする、というような形で仕上げていました。
個々の手直しは、内容によっては結構大変です。ただ、同じGoogle翻訳を使っても、数年前とは出てくる英文が違ってきています。日本語→英語は、契約書的な文書翻訳が多いのですが、契約書でしか見たことのない単語、用語が使われます。そのあたりの精度がかなり上がっていることを実感します。どんどん改善されているということがわかります。
また、前出ChatGPTでは、その文書を読む相手を中学生などと指定すれば、読者を意識した文章に変換してくれます。素晴らしいですね。
このようにまだまだこれから進化し、この「手直し」がほぼゼロになる日も近いように感じます。
ちなみに英訳、和訳とは違いますが、新しいサービスの名前を英単語で何かつけたいといった時、そのアイディアを20出すようお願いすればあっという間に20出てくる。私も実際ビジネスパートナーとの打ち合わせにChatGPTも「参加」させ、あるサービスのブランド名を決めました。
このように読み書きの分野においては、AIのおかげで大分効率が上がることは間違いありません。
■AIでは代替できない肉声の力
一方で、話すことに関しては、AIや機械に頼らず、あるいは頼ってもよいのですが、最後は自分の肉声で発する言葉に力が必要な場面があると思うのです。
例えば何か物事を人に頼む、協力をお願いする場面。「そこをなんとか!」というような場面。または、周りの人を巻き込んで意思決定する場面などです。冒頭でお話した日本語教育初日の「熱く語った」場面もそうです。
言葉に感情や熱意、ニュアンスを込め、相手に対する信頼を伝え、説得力を増す力があります。英語が不要になるとは思わずに、継続してトレーニングしていって欲しいと思います。
AIを使ったトレーニングアプリなどもたくさん出ていますし、YouTubeを見ればAIを使った学習法もたくさんあります。iYESはこの分野ではユーザーの立場ですが、AIと上手に付き合っていけたらと思います。
■経験談や思いを伝えるのは人間の仕事
留学再開にあたり、これまでの「英語+インターン」に新しいプログラム名称を付けました。
某大学に向けた留学セミナーで、私の経験談とこのプログラムに込めた思いをお話しすることになりました。
ちなみにこの名前を考える際はChatGPTにも手伝ってもらいました(笑)
このプログラムは就職を控えた大学生、キャリアップを考えている社会人をターゲットにしていますが、これまで高校生、50代の経営者さんも参加いただいています。
https://iyeslanguageschool.wixsite.com/iyes-english-intern
iYESのユニークなプログラムが、コロナ禍を経て人材不足に悩んでいる職場への支援としてだけでなく、社会の一員としてしっかり働いてくれる人材を世に送り出すお手伝いとなれば。
AIの技術と生きていく時代になっても、人から人に伝えたい大切な思いは、自分の肉声で伝えることがやはり大切ですね。
ではまた次回!
スービックについて
https://primer.ph/travel/category/area/central-luzon/subic/
iYESについて
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中沢 宏行(なかざわ ひろゆき)
コンサルタント(海外進出・海外ビジネス支援、人材育成研修・組織マネジメント)
フィリピンのスービックにて語学学校事業を中心に活動中の中沢が、現地の実情や海外ビジネス支援、語学・企業研修についてのコラムを開始。
海外進出や海外ビジネスに興味のある方、語学研修や海外企業研修をご検討の方に役立つ情報を発信していきます。
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