2023/01/13 「フィリピン スービックだより」第30回 スービックにとどまる理由とは?
こんにちは。BIPコンサルタントの中沢です。
2023年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。私は今年もここスービックで新年を迎えました。振り返ると、2018年の1月に始めたコラムも今回で30回、5年が経ちました。いつもスービックだよりをお読みいただいてありがとうございます。月日の、時間の速さを感じます。生かされている間にやりたいことをやらなきゃ!という思いです。
この3ヶ月、メインイベントは次女の結婚式でした。フィリピンの方が長いものですから、家族顔合わせ会は私のみフィリピンからオンラインで繋いでご挨拶させていただいたのでした。正に今どきですね。そんなことを思い出しながら、結婚式はしっかりと帰国して娘とバージンロードを歩き、喜び、泣いた一日でした。ちなみにバージンロードは和製英語、英語ではWedding Aisleというらしいです。
そして先月は語学留学の「ソフト再開」ということで、再開準備途上という状態をご理解いただいたうえでシニアのお客様がお一人、4週間の留学に来てくれました。
パンデミックを経て、たくさんのことが変化し、そしていろいろなことがまたもとに戻りつつあることを感じます。こうでなくちゃ!です。
さて、前回は、スタートした3つの新しいプロジェクトをご紹介しました。それぞれ思い入れがあって進めているのでまた近々ご報告したいところですが、今回は年初ということもあり、この年末年始に改めて考えてみた「自分はなぜここでこんなことをしているのだろう?」ということについて書きます。よろしければ皆さんもご自身の振り返りの参考にしてみてください。後半では、iYESのもともとのコア事業、今まさに再開したいと思っている英語留学のお話も交えてお伝えします。
■なぜここでこんなことをしているのだろう?
「ここで」と「こんなこと」について、具体的に書こうとするとこんな感じになります。
・ここで:フィリピン、スービックで
・こんなこと:語学、グローバルトレーニングを中心にビジネスをマネジメントすること
2020年のパンデミックがやってきたときは、一つ大事な判断のタイミングでした。留学がなくなった=事業継続不可、日本帰国しかない??という状況。実際、かなりのフィリピン英語語学学校は事業を閉じました。私ももちろんその選択肢を検討しました。親戚はほぼ全員、友人からもそのアドバイスが多かったです。でも結局それは選択せず、今もこうして「スービックだより」を続けているわけです。「判断遅れだった!」とこの先言われるかどうかは、これからのiYESの成長によるわけなので、もう頑張るしかないですね。
さて、私が「ここでこんなこと」を続けている理由「なぜ?」を書き出してみると、3つほど挙げることができました。
(1) 消極的理由:
日本は窮屈と感じている。フィリピンは(窮屈の反意語としての)自由を感じられる。
(2) やや積極的理由:
ここにいたほうが、私の希少性が増す。将来のビジネスにつながる可能性あり。
(3) 積極的理由:
いろいろな人と出会え、異文化コミュニケーションが楽しく、喜びを感じられる。
■自分の希少価値が増す、将来のビジネスにつながる
(1)に関しては、ここではこれだけにしておきます。
(2)は、今頃何を言っているのか? すでに還暦なのだから、歳を考えろ!という意見も聞かれそうです。しかし、フィリピン人によく言われるんです。Age does not matter! (年齢は問題じゃないさ!)と。気に入っているフレーズのひとつです。歳のことは言わないことにしましょう。
ここスービックの地域は適度な田舎です(そこが気に入っている点の一つです)。およそ100人少しの日本人がいます。ほとんどは企業の駐在としてお仕事されている方と、そのご家族。通常は3~5年で帰国されます。私のように小さくても自分でビジネスをし、帰国等々のタイミングは自分次第という方はあまりいません。これが大都市マニラではまた全然状況が違うわけですが。ということで、今現在、結構「珍しい」存在になりつつあります。
そんな自覚から、前回紹介させていただいたコミュニティ作り、SU-GAPO(スーガッポ)Projectを進めています。地元の協力を得ていると思えることが幸せであると同時に、この地域における宣伝広告や進出サポート等のビジネスとしても成立させたいと思っています。テレビ番組「こんなところに日本人」の、「辺境の地」…ではなく「一般の地」版といった感じで、ここに居続けていること、その希少性を価値に変えたいと思います。
■出会いとコミュニケーションの楽しさ、喜び
スービックでは結構な頻度で新しい人に会っています。今日もフィリピン人二人に「初めまして!」と挨拶しました。一人は3つの新プロジェクトの一つに協力してもらう大学生、もう一人は「英語でインターンシップ」プログラムのインターンシップ受入れをお願いしたマネージャさんです。
このようにこちらのやりたいことをサポートいただくため、私がお願いする場面は結構あります。金銭的お礼を支払う場合も、そうでない場合もあります。もちろん100%ではないですが、これまで結構うまく協力を得られてきたと思います。この「お願いしたいことが通じた感」を感じられた時が嬉しい瞬間です。
相手、フィリピン人のことを理解したい気持ち、(弱点、欠点も含めて)フィリピン人のことが基本好きですという気持ち、自分も弱点、欠点だらけだしという気持ち、そのあたりが言葉だけでなく、自分の態度にもにじみ出ているのだ、と思っています。そして相手も私を受け入れてくれ、話が進み、協力いただく。これが私のコミュニケーションスタイルです。
海外ビジネスでは、語学力そのものも大事には違いないのですが、以前お話したように、外国語さえできればよいというものではないです。
※関連コラム:「度胸と自信、元iYES生との対話より」https://www.bi-p.co.jp/column/13050/
■コミュニケーションの実践をトレーニングとして提供する
今日挨拶した二人目は、動物保護管理しているNPOが運営する馬小屋のマネージャさんでした。一般のお客様を受け入れ、乗馬体験などをサービスとして提供しています。日本の乗馬クラブの大学生よりインターンシップの問い合わせがあり、「英語でインターンシップ」の受け入れをお願いしました。
これまでも問い合わせを受けるたび、希望先がなければ新たに受け入れ先を開拓してきました。インターンシップの目的は、英語を使う場を提供し、生の現場で生の英語を使ったコミュニケーションを体験してもらうことです。このパンデミックにより、英語レッスンそのものはオンラインでもかなりできるということがわかった今、このプログラムはわざわざフィリピンまで来てリアルを体験する意味、価値があると思っているところであり、これからしっかりとアピールしていきたいと思っています。
この他、最近の新しい活動としては、中学生レベルのオンライン交流会の企画があるのですが、これはまた機会をみて紹介したいと思います。
以上、今回は年初にあたり、「自分はなぜここでこんなことをしているのだろう?」という問いの答えを書き出しながら、iYESの英語留学の特徴の再認識につなげてみました。言語化が難しいところですが、このように自分の「なぜ?」について書き出すことで、これまで大事にしてきたことや、これからやりたいことを明確に把握することができました。Wedding Aisleではありませんが、過去から現在の道の先に、未来への道がつながっています。皆さんも、新たな年の初めに、ご自身の人生や事業の振り返りの時間を設けてみてはいかがでしょうか?
ではまた次回!
スービックについて
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中沢 宏行(なかざわ ひろゆき)
コンサルタント(海外進出・海外ビジネス支援、人材育成研修・組織マネジメント)
フィリピンのスービックにて語学学校事業を中心に活動中の中沢が、現地の実情や海外ビジネス支援、語学・企業研修についてのコラムを開始。
海外進出や海外ビジネスに興味のある方、語学研修や海外企業研修をご検討の方に役立つ情報を発信していきます。
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