2021/12/08 【FC】「FCとDX」
こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。
近年、「DX」という言葉を、テレビや新聞、ネット記事などで当たり前のように見かけるようになりました。当社においても、小川による「DXの時代(https://www.bi-p.co.jp/column_theme/dx/)」というコラムを発信中です。
FCビジネスにおいてもDXへ取り組みは重要なものとなっています。
■DXとは
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは「新たなデジタル技術を活用し、これまでにないビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること」であり、その目的は以下のように2つあります。
① コーポレートIT(CIT):業務効率化や合理化によるビジネスへの貢献
② ビジネスIT(BIT):デジタルによるビジネス創出、価値向上
①は、これまでも取り込まれてきていましたが、必ずしも十分なものではありませんでした。古いシステムのまま運用を続けている企業も多数あり、新たなデジタル技術を用いて、自動化、業務効率化、安定運用を目指していく必要があります。
②は、デジタル技術を活用した新たなビジネスの創出、価値の向上をしていくものです。
■FC本部におけるDX戦略と導入
FC本部のDX戦略としては、この①、②を意識して、戦略を立てて行く必要があります。①は既存事業の延長として、ビジネスの効率化・合理化を図り、収益性を向上させていくことを目的とします。
一方、②は、新たなビジネスの創出を目的とします。この事例として、Uber Eats(ウーバーイーツ)が挙げられます。Uber Eatsの仕組みを活用した「ゴーストレストラン」という業態も生まれ、このFCモデルも生まれています。
本部によるDX(IT化)の促進は、加盟者にとって良い取り組みではありますが、情報システムの開発・導入には、コストがかかります。本部として、このコスト負担をどのように考えるかということになります。
新たなIT導入は、加盟者の経営にプラスに働くものですし、チェーンとしての統一性、サービス品質の担保という観点からも、原則、全ての加盟店に導入すべきものです。しかし、その費用が掛かるとなれば、加盟店から難色が示されることは十分に予測できます。
本部の対応としては、SVやIT責任者などを通じて、導入目的やその効果などについて、丁寧に説明をしながら進める必要があります。これには時間がかかりますから、計画的な対応が必要となります。
加盟店との契約時点においては、将来、新たに発生するかもしれない費用負担についても想定し、契約書の準備と契約行為をする必要もあります。FC契約書上には、以下のようなことを定めておきます。
- 加盟者は、情報システムの変更、バージョンアップ、ハードウェアの変更等により使用料が変更されることを認容すること
- チェーン全体の方針として、情報システムの内容、仕様、使用機器が変更される場合、加盟者の費用負担で、新たな情報システムを導入すること
また、契約前には「将来、新たなコスト発生することがある」ことを示した「リスク確認書」を提示し、承諾を得ておくというのも契約上のテクニックです。
高木 仁(たかぎ ひとし)
コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)
私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。
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