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皆さんの会社では、中計や予算などの経営計画をしっかりと実行できていますか?計画目標は達成できていますか?

「計画をつくっても実現しないので・・・」と嘆く経営者の方が多くいます。もし、経営計画をつくっても、計画が実行されないとか、実行しても目標値を全く達成できないということであれば、まさに“絵に描いた餅”です。

「計画をつくっても実現できない。」と嘆かれている経営者の経営計画には、達成できない原因のパターンが幾つかあるようです。

典型的なパターンの一つは、経営計画書に計数計画の記載しかないものです。経営計画書は、本来、計数計画とそれを実現するための戦略の2つの要素から成るものです。計数計画のみの経営計画では、戦略の裏づけが無いので、達成するかどうかは現場任せということになってしまいます。

「計数計画を達成するのは現場の責任だから、根性で頑張れ!」ということなのでしょうか?あるいは、「現場で勝手に戦略を考えて数字だけとにかくあげろ!」ということなのでしょうか?

目標を達成するための戦略は、経営者の責任として立案する必要があります。これは、経営者が自分一人で戦略を考えろという意味ではありません。現場任せにしないで、会社組織として的確な戦略を立案する必要があるということです。目標達成のためには、その裏づけとなる明確な戦略があることが必要です。

さらに計数計画のみの場合、社員に対して「全力で努力しろ!」という意味合いで、高い目標値を設定しているケースがよく見られます。いわゆる“努力目標としての数値目標”です。このケースの場合、経営者自身も目標達成を前提としていないので、月次会議での業績管理が徹底していないことが多いようです。社員の尻を叩くだけの計画では、会社を成長させていくのは難しいと言わざるをえません。

もう一つの典型的なパターンは、経営計画書には計数計画だけでなく戦略もあるのですが、現場の意識として、その計画を達成するコミットメントが弱いケースです。つまり、現場の意識として、“押し付けられた計画”になってしまっているパターンです。

計画はつくる段階から、社員の実行に向けてのコミットメントをつくり込んでいく必要があります。社長が一人で経営計画書(計数計画と戦略)をつくってしまって、現場に対して「これを実行して目標を達成しろ!」というのは、少し乱暴です。社員が数名しかいない会社であれば、これでもよいかもしれませんが、社員数が50名を上回る会社であれば、社員のコミットメントをどのようにつくっていくか、工夫していく必要があります。

社員のコミットメントのつくり方のキーワードは、「参画」です。社員全員を中計などの経営計画の策定に参画させることは難しいので、幹部社員や管理職などのキーパーソンを計画策定のプロセスに何らかの形で参画させます。「自分も一緒になってつくった計画」という意識を持たせることが重要です。中計の1年目は年度計画(予算)という形になります。その年度計画は、全社員が個々に策定する目標管理に連動します。そうした形で経営計画を社員一人ひとりが「自分の計画」という意識を持てるものにしていくことが、実行に向けてのコミットメントづくりです。

経営計画の策定は、「実行と達成」を実現できるように工夫していく必要があります。

以 上

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