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こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。

先日、私が所属するフランチャイズ研究会の企画で、某ラーメンチェーンのフランチャイズ本部を訪問してきました。訪問したのは、都内にあるFC加盟店舗。しっかりとラーメン&チャーハン&餃子のセットを頂いてから(もちろんお支払いしています)、お話をうかがいました。

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本部の社長、加盟開発担当者に加えて、加盟店の社長からも、お話を聞くことができました。それぞれの表現方法は違いますが、共通していたのは「毎日食べても飽きないラーメン」を提供しているという自負があることと、その結果として長年にわたって成長し続けているという事実。その秘密はここでは語れませんが「確かに」と頷ける内容でした。

さて、毎年恒例となっている日本フランチャイズチェーン協会の統計データ2015年度版が発表されました。
統計資料は協会ホームページを参照:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html
2014年度の統計結果では、フランチャイズ業界全体における売上高が24兆円を超えていましたが、今回の統計データではどうなっているでしょうか。

全体概要

まずは全体を概観してみます。

<フランチャイズチェーン数>
1,329チェーンで、前年比8チェーン増でプラス0.6%と6年連続の増加。

<総店舗数(直営店と加盟店の合計)>
26992店舗で、前年比1,868店舗増でプラス0.7%と7年連続の増加。

<売上高>
245,945億円で、前年比4,608億円増でプラス1.9%と6年連続のプラス成長。

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出典:2015年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告
(日本フランチャイズチェーン協会|平成2810月)

消費者の購買意欲の改善が伸び悩むなか、フランチャイズ業界全体として、その成長がやや鈍化しています。特に、皆さんもよく知っている大手ハンバーガーチェーンの不振や、介護保険法改正によって大打撃を受けているデイサービス事業の不振が大きな影響を与えています。

このような中でも、各社は消費者ニーズに答えるための商品・サービスの開発などの企業努力を続けており、緩やかとは言え成長を続けていることも事実です。なかでも、コンビニエンスストアは社会的インフラとしての位置づけが確固なものとなっており、堅実な成長を続けています。

社会的イノベーションを起こし続けているコンビニエンスストアの成長は、今後も期待できるでしょう。また、先に述べた大手ハンバーガーチェーンも回復傾向にあり、2016年度以降の成長も期待できると思われます。

成長し続けるフランチャイズ業界

統計データが存在する1983年度から最新の2015年度までの、チェーン数、店舗数、売上高の推移を次のグラフにまとめました。

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ご覧のように堅調な成長を続けています。先に述べたように、2015年度の伸びはやや鈍化したものの、今後も成長は続くものと思われます。

ある一つのビジネスモデルが成功したとしても、そのモデルで勝ち続けられるのはせいぜい10年程度である。という調査結果がBCG2009年レポート(『Business Model Innovation(Dec.2009)Martin Reevesなど)で示されています。言い換えれば、10年が立つ前に、そのビジネスモデルを改革していかなければ、成長を続けるどころか、生き残ること自体が難しくなっているということです。

先のラーメンチェーンの例でも述べましたが、フランチャイズで勝ち続けるためには、消費者の日常に入り込む「飽きのこない商品・サービス」を提供する必要があり、そのためのビジネスモデルを構築する事が必要です。しかし、これは一度作って終わりでなく、市場環境や消費者の変化に対応し、常にイノベーションし続ける事が重要です。

重要なのは、強いビジネスモデル(しくみ)を構築するだけでなく、成長を続けるためのしかけも一緒に構築することです。現在の事業リーダーには、そのための能力が求められていると、今回の本部訪問と統計データから、つくづく考えさせられました。

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BIPコラム

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