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こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。

コロナ禍や紛争など様々な要因で世の中の変化が激しくなっており、随時、ビジネスモデルの再設計が必要になっています。

以前のコラムで、FCのビジネスモデルについて解説をしましたが、ビジネスモデルキャンバスを使ったビジネスモデル設計の考え方について解説をしたいと思います。

関連コラム:https://www.bi-p.co.jp/column/4536/

今回は、ビジネスモデルキャンバスの左側=「コスト」について解説します。

図1

⑥リソース

ビジネスモデルを実行するために必要・重要な経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を記述します。

どのようなリソースが必要なのか、重要なのかは、ビジネスモデルによって異なります。
例えば、同じ製造業でも安く良質な製品をウリとする場合は、効率的な量産体制・製造ラインが重要となりますが、デザイン性などで差別化を図るビジネスでは優れたデザイナーなどの人的リソースが重要となります。

また、既存事業のある企業が新規事業を展開しようとする場合、通常は既存事業で作り上げたリソースとのシナジーを考えます。
例えば、「保有技術を活かした開発」「同一の製造ラインでの製造」「人脈の活用」「販売ノウハウの共有化」などがあります。

新しくビジネスを始めるベンチャー企業であっても、シナジーという考え方は適用できます。経営陣が持っている、これまでの経験値や、それによって蓄えられたノウハウ、人脈などを使いこなして(シナジーを効かせて)ビジネスモデルを構築・実行することができます。

⑦主要活動

商品・サービスを作り出し顧客へ届けるための活動、顧客を開拓し維持するための活動、パートナーの開拓など、ビジネスモデルを実行するために、企業・組織が取り組むべき重要な活動を整理します。

リソースのブロックと同様に、ビジネスモデルによって、どの活動が必要・重要なのかは異なります。
そのビジネスモデルを成功させるために必ず行うべき活動であり、競合他社との差別化においても「最も重要な活動は何か」その観点を持って検討しないといけません。

企業活動には様々なものがあり、単なる思いつきで整理してはいけません。このとき役に立つのが、バリューチェーンというフレームワークです。
バリューチェーンは、価値の付加に関わる企業間および企業内の活動のつながりであり、主活動と支援活動の2つに分類されます。

主活動とは、製品の物理的な製造やマーケティング、買い手への供給、サポートやアフターサービスに関わる活動のことです。
支援活動とは、主活動を行うことを可能にする投入資源やインフラストラクチャー(事業構造)を提供する活動のことです。

⑧パートナー

自社内の⑥リソースでは足りない、⑦主要活動ではできない場合、戦略的に外部から調達するリソースや、外部に依頼する活動を整理します。

自分たちのビジネスモデルを最適化するため、あるいはリスクを減らすために外部のパートナーとのアライアンスを組みます。
例えば、スマホメーカーでは、その技術の一部は自社内での開発とはせず、特許使用に関するライセンス契約を結び、ライセンス料を支払っています。

また、「ビジネスモデルキャンバスの右側:チャネル」とも関係しますが、製品を販売する際に「販売代理店契約」を結ぶという方法を取ることも多々あります。

ここで気をつけなくてはいけないのは、このビジネスモデルのコア(核)となる部分はどこなのかを見極め、自社内に残す部分とパートナーへ依頼する部分を戦略的に選択することです。

⑨コスト構造

ビジネスモデルを実行するうえで発生する、必要・重要なコストを整理します。

これまでに解説してきた⑥リソース、⑦主要活動、⑧パートナーを設計したうえで、これらを動かすため、維持するために必要なコストを算出します。

コストは、変動費と固定費に分けられます。
変動費とは、ビジネスの実行度合いに比例して増えていくもので、製品の仕入れ費用や原材料費などが、それにあたります。
一方、固定費とは、事務所の賃貸料や通信費など、活動の度合いとは関係なく一定の費用が発生するものです。

ここで算出したコストが、ビジネスモデルキャンバスの右側=収益を上回っていては利益は得られません。
そのビジネスモデルが「左側<右側」となるにはどうすればよいのか?個々のブロックを見るだけでなく、常にビジネスモデル全体を眺めながら設計を進めることが重要です。

 

ビジネスモデルキャンバスの左側(コスト)を設計する場合でも、右側(収益)を意識することは忘れてはいけません。繰り返しになりますが、常にビジネスモデル全体を眺めながら設計を進めることが重要です。

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