2022/09/16 【FC】「FC本部事業計画 〜組織体制の検討・立ち上げコスト〜」
こんにちは。BIPの高木 仁(たかぎ ひとし)です。
前回のコラムでは「FC本部の事業計画」(https://www.bi-p.co.jp/column/14967/)について解説しました。
今回は、その続きとして「事業計画における本部組織体制の検討」「FC本部の立ち上げにかかるコスト」について解説します。
■本部組織体制の検討
FC本部の構築や事業推進には人件費がかかります。また、本部の成長に合わせて新たな人材確保や教育なども必要です。
一般的に、本部の立ち上げ及び運営に必要な本部組織体制として、以下の7つの機能(組織)が必要となります。
参考コラム|https://www.bi-p.co.jp/column/9715/
① 商品/サービス開発・マーケティング機能
② 業態開発・イノベーション機能
③ 教育研修機能
④ 店舗運営サポート・スーパーバイジンング(SV)機能
⑤ 店舗開発・加盟店開発機能
⑥ 物流機能
⑦ 情報システム機能
これらの組織体制について、直営店・加盟店が何店舗のときに何人程度の人材が必要か、おおよその年収を想定しながら必要な人件費を設定します。
本部としての成長に合わせて、最初はあまり人員やコストをかけずに立ち上げていくことが現実的です。アーリーステージの本部の場合、直営店の担当と兼務になることは想定されますが、徐々に準備を進めていき、加盟店が3店舗程度展開できてきたら、専任の担当を配置するといった方法が考えられます。
■本部立ち上げにかかるコスト
以前のコラム「フランチャイズ展開するための前提3条件(https://www.bi-p.co.jp/column/7887/)」の中で、“FC本部の財務の健全性と資金調達力は不可欠”と述べましたが、実際、FC本部の立ち上げには、どのような費用がかかるでしょうか。下記に、主な費用項目をまとめました。
費用項目 | 内 容 |
各種マニュアル作成 | 加盟店用マニュアル、本部用マニュアル |
法務手続き関連 | 商標登録、FC契約書作成、法定開示書面作成、その他関連書類作成 |
IT環境整備・開発 | 機器導入、要件定義・設計・開発 |
PRツール準備 | 加盟案内書、ホームページ、会社案内 |
加盟開発関連 | FC事業説明会、ビジネスイベント出展 |
古い情報になりますが、「フランチャイズチェーン事業経営実態調査報告書(経済産業省|2008年)」によると、アウトソーシングを実施している本部機能として、
・加盟者募集、契約交渉
・チェーンの宣伝活動
・情報化、効率化
といった項目が上位に上がっています。アウトソーシングの年間費用としては、概ね1000万円程度となっています。企業の方針や体制、FCの展開パターン、自社対応か?アウトソーシングにするのか?などによって、これらの項目や費用感は異なりますが、参考情報としてください。
本部機能のうち、
・教育研修
・店舗運営サポート
・スーパーバイジンング(SV)
・店舗開発・加盟店開発
については、FC本部の中核機能であるため、安易にアウトソーシングすることはおすすめできません。特にアーリーステージのチェーンにとってはノウハウを蓄積していく上で非常に重要となる機能なので、少し大変でも、しっかりと作り上げていくことをおすすめします。
これら以外にも、オフィスの整備などにも費用がかかります。どれくらいの支出がいつ発生するか、計画をしておく必要があります。どのタイミングでいくらくらいの投資が必要か、その資金をどのような手段で調達するのかという検討も行う必要があります。
高木 仁(たかぎ ひとし)
コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)
私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。
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