【FC】「FC本部構築：加盟店向け研修カリキュラムの策定」

コラム「ミニ講座」

2021/07/13　【FC】「FC本部構築：加盟店向け研修カリキュラムの策定」

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こんにちは。BIPの高木仁（たかぎひとし）です。

FCに加盟する大きな目的は、本部からノウハウを提供してもらい、一から事業を始めるよりもリスク少なく事業を開始することにあります。

本部の立場からしてみれば、その事業に未熟な加盟者が運営をすることで、顧客からのクレームが頻発したり、業績不振になったり、最悪すぐに閉店に至ってしまったりすれば、チェーンのイメージを損なう恐れもあります。そうならないよう、一定の基準を満たした経営者を誕生させられるよう、カリキュラムを組んでおく必要があります。

■カリキュラムの作成

カリキュラムは、加盟者を、「どのレベルまで引き上げるか」を設定したうえで、「そのために必要な教育内容・方法・日数」を検討します。
FCは「短期間で必要十分なノウハウを身につけられる」ことも大きなポイントとなります。開業前の教育に長くかかれば、その分だけ、まだ売上が上がっていない段階で店舗家賃やスタッフの給与などがかかってしまいます。本部は、加盟者を短期間でプロの経営者に育てる研修システムを持つ必要があります。
カリキュラム表を作成する際には、各カリキュラムの項目ごとに、どのマニュアルが必要になるかピックアップします。ピックアップしたマニュアルを、一つにまとめて研修用のテキストにしておくと効率的に研修を実施することができます。

■研修の実施方法について

研修方法としては、主には知識を学ぶ座学形式と、実際に店舗で業務を行いながら学ぶ実地研修を組み合わせるのが一般的です。
座学研修では、ドキュメント型のマニュアルだけでなく、動画も活用して進めると実地のイメージがつきやすく、効果的・効率的に研修を進めることができます。
そして、座学によって学んだ知識を、店舗運営の現場で実際に使えるように、直営店などを利用して業務遂行能力を身につけます。場合によっては、実際に開業する店舗にて、最後の仕上げをするとより良いでしょう。
研修の実施に向けては、出席の有無、受講姿勢などを記録するための出欠表や記録簿を準備しておき、研修が始まったら、毎回、記録にとっておきます。また、研修中に一定単元ごとに、加盟者が一定レベルに達しているかテストを行う必要があります。そのための筆記テストや実務テストも準備します。特に実務テストは、評価軸を明確にして、曖昧な評価にならないよう設計します。

■研修中の報告

法人加盟者など、加盟店のオーナーと研修受講生が異なる場合には、研修中、オーナーへ定期的に報告を行います。出席状況、受講姿勢、確認テストの点数、研修の修了予定などを伝えます。大事なことは、参加している受講生のレベルが低すぎる場合や素行が良くない場合などは、人員交代の申し出をすることです。良くない状況のままズルズルと続けていても、両社にとって不幸な結果になるだけです。前提として、FC契約書に、人員交代の指示を行う可能性があることを入れておく必要があります。

基本的に加盟者は、その事業の未経験者であり、仮に同じ業界の経験者であっても、加盟したFCチェーンの経営システムについては知りません。ただマニュアルをポンと渡されて、さあ頑張ってくださいと言われても、当然上手くいくはずがありません。
FCにおける研修（特に開業前研修）は、本部と加盟者の双方にとって重要なものです。場当たり的に行うのではなく、事前に研修カリキュラムをしっかり作成しておくようにしてください。

参考書籍：
フランチャイズ研究会著「フランチャイズ本部構築ガイドブック」（同友館）
フランチャイズ研究会著「フランチャイズマニュアル作成ガイド」（同友館）

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