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連載開始【電経新聞】第1回「30代が経営人材として活躍する時代」BIP代表取締役社長 手塚里美
情報通信系の業界紙【電経新聞】のコラムコーナーPoint Of Viewにて、弊社代表取締役社長の手塚がコラムを連載する事となりました。
月に1回、1年間の連載を予定しています。
経営コンサルティング会社の女性社長の視点から、さまざまな業界、大小企業の変革現場の実情や、急増する事業承継・M&A、新たな人材育成・活用推進などを発信していきます。
2019/6/24紙面より 連載第1回 「30代が経営人材として活躍する時代」
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【記事全文】
先進企業が30代の若手社員に対して、将来の経営者にするための育成をどんどん推進するようになっている。年功序列だった時代から若手が活躍する時代へと舵を切る大きな動きとして注目される。
三菱商事は昨年の中期経営計画の中で20年ぶりに人事制度を刷新することを発表した。入社10年目程度の30代の若手社員でも子会社社長や本部課長に登用し、経営人材へと育成する仕組みである。経営人材については「高い倫理観、変化への想定力、困難を乗り越える実行力を持つ人材」を掲げている。いまはコネクテッド革命×ビジネスモル革命の激変の時代。M&Aや業界再編など経営環境が激しく変化しビジネスモデルの統合が進展する中、企業の変革を実行する若手人材の育成、人材による価値拡大経営への変革の必要性が重要視されている。
恐縮ながら同じ30代である私も今年1月から創業者・先代社長から3代目代表取締役社長の責務を受け継いだ。これまで日本をけん引してきたシニア・ミドル世代の実績と叡智を生かしつつ、若い世代が大きな経験を積む機会は貴重であるし、仕組みとして本来あるべきだと思う。私自身も責任とともに、若いうちに経験をすることの大切さをひしひしと感じている。
ロスジェネ世代といわれる30代、40代が学びと経験を重ねて活躍することが求められている。
当社では創業当時から日本を支える上場企業、地域中核企業のイノベーションの必要性に注目し「企業の第2・第3の成長」をテーマに若手事業リーダー・変革人材育成に力を入れてきた。事業変革のコアは人材だ。いくらよい事業があっても人がいなければ推進することは不可能である。BIPでは座学で知識中心だった従来の教育プログラムを見直し、演習を中心としたビジネスモデル設計演習、ビジネスプランニング演習を展開。ノウハウをすぐに職場で実行するための実践力を身に付けるプログラムは好評で、受講後社内で共有したり、学びを職務に生かして昇進、役員・社長等重要なポストに就いた受講生も多い。
最近では経営企画と一体となった人事制度見直しの相談も増えている。人事戦略こそ最強の経営戦略の時代になった。
企業自身が変革の舵を取ることは最重要だが、個人としても学びや自分の強みを磨く活動が必要となってくる。私も今年ビジネススクールのグロービス経営大学院へ入学し、MBA取得を目指している。スクールでは30―40代を中心にさまざまな業界のリーダーたちが集い、熱心に学び、ネットワークを広げている。私は2歳児の母として子育て中の身だが、スクールには育児中の女性も多く、日本の将来に光が差すような心強さを感じている。今後、働く女性の学びの意識が広がり、結果として女性管理職や経営者が増えていくのではないだろうか。
このコラムでは、さまざまな業界、大小企業の実態を見てきた経営コンサルの現場から、企業の変革現場の実情や急増する事業承継・M&A、新たな人材育成・活用推進などを発信していきたい。