佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション

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2009/03/16 NHK大河ドラマ『天地人』の舞台は広く、ETC車1000円で国内旅行絶好の舞台?!

 NHK大河ドラマ『天地人-第11回御舘の乱-』を見ながら、このエッセイを書いています。『天地人』の主人公である直江兼続(なおえかねつぐ)の活躍した地理的舞台は、越後から能登、京都、大坂、会津若松、米沢と広い。天の時も、室町時代後期、安土桃山時代、江戸時代初期を一気に駆け抜ける疾風怒濤の時代である。

 13日、高速道路引き下げ計画が発表された。ETC普通車高速道路休日1,000円は28日スタート。自治体・JR・航空・バス・レンタカー・ホテル・旅館等の旅行企画が出揃いつつある。2009年は国内旅行盛り上がりの年となるかもしれない。

 春と共に、私は趣味である2009年旅行の国内コースを検討中で、旅行会社より送付して頂いた旅行カタログを見比べている。今年は、2008年人気だったNHK大河ドラマ『篤姫』の故郷である鹿児島周辺が第1候補であったが、2009年大河ドラマ『天地人』の舞台にも興味が沸いてきた。

 『原作者と往くNHK大河ドラマ「天地人」の舞台!』の宣伝文句に惹かれて、新潟出身の原作者である火坂雅志(ひさかまさし)著『天地人を歩く』(祥伝社)を読み、舞台の広がりを知り、計画する楽しみも広がりつつある。皆様、今年の旅行はどうしますか。
参考文献

(1) ETC普通車高速道路休日1、000円は28日スタート。自治体・JR・航空・バス・レンタカー・
   ホテル・旅館企画等で2009年は国内旅行盛り上がりの年か?

 私は、伊勢・志摩(2008年)、松山・道後温泉(2007年)、島根・鳥取(2006年)、熊本・長崎(2005年)と、ここ10年毎年国内旅行を楽しんでいる。旅行は第1の趣味と公言している手前だけでなく、毎年やはり楽しい。年1~2回と無理のない頻度である。もちろん、業務出張は別である。仕事の関係で平日旅行が難しいこともあり、ゴールデンウイーク、夏休み、年末年始が中心となり、混雑と高価格時期が悩みであるが、余りある楽しみである。離れて暮らす家族の絆と、コミュニケーションにもなっていると思う。

 先般、景気対策の法案が成立した。国土交通省と高速道路6社は13日、高速道路料金引き下げのスケジュールを発表した。今月20日に本州四国連絡高速道路と、東京湾アクアラインの料金が1000円に下がり、目玉の「休日1000円」は28日にスタートする。首都高速道路など料金体系が異なる一部区間をまたぐ場合に前後の料金を通算1000円にする割引(乗り継ぎの特例)は、4月29日から実施する。対象は、普通車以下で自動料金収受システム(ETC)の搭載車。 休日の主要インターチェンジ間の料金はインターネットで確認できる。(http://www.jehdra.go.jp/goannai.html)

  ◇高速道路料金引き下げスケジュール主な概要◇
  3月20日(祝)本四高速とアクアラインが休日1,000円に
     28日(土)地方で休日の上限1000円スタート(首都高速をまたぐ場合など除く)
            大都市近郊で土日祝昼間3割引き
     29日(日)首都高速で日祝日割引(東京線500円)
     30日(月)地方部、平日の全時間帯に3割以上割引(昼間は100キロ超は対象外)
  4月29日(祝)地方で休日の上限1000円を完全実施
  7月上旬    休日に観光バス3割引き、地方の平日昼間の割引で距離制限を緩和

 ガソリン代も100円/L前後にあり、車での国内遠隔旅行が爆発する予感がする。特に若いファミリーには朗報である。EUが自由通行を開始した時と似た現象になるのだろうか。経済政策のメニューは、いろいろ検討すればまだまだあると実感するキッカケになるかもしれない。各地の自治体総ぐるみのサービス開発競争も始まっており、JR・航空・バス・レンタカー・ホテル・旅館等旅行関連業界は色めきだっている。

(2)『天地人』の主人公である直江兼続(なおえかねつぐ)の活躍した地理的舞台は、
   越後から能登、京都、大坂、会津若松、米沢と広い。旅行の楽しみも広がる。

■魚沼(新潟県南魚沼市) ~直江兼続が生まれた雪深い国境と味わいの地

 「日本有数の豪雪地帯として知られる越後魚沼。直江兼続は永禄三年(1560)、この魚沼の中心地、六日町は坂戸の城下で生まれた。幼名を樋口与六という。」(参考文献1:6ページ)

六日町温泉があり、日本有数の魚沼産コシヒカリ、地元高千代酒造の「天地人」「兼続」「景勝」、魚野川にはサケ、マスが上ってくる。坂戸城跡のある坂戸山には、三つのトレッキングコースがある。兼続と景勝が少年期学んだ雲洞庵は、新潟県の指定文化財。

■越後府中(新潟県上越市) ~春日山城での上杉謙信との出合い、直江津港擁す港町

 「兼続は春日山城で初めて「生涯の精神の師」と対座する。・・(略)・・<<目と目があった。・・(略)・・「そなたが樋口与六か」謙信は兼続の名を知っていた。>>(『天地人』)」(参考文献1:28ページ)
謙信の経済力の源は、3つであった。39万石の米、高級衣料、越後上布の生産と販売、当時日本一の高根金山。

 頸城(くびき)平野の米と妙高山系の水が銘酒を生む。妙高酒造の清酒「妙高山」は有名。謙信が関東管領・上杉憲政のために用意した政庁である御館(おたて)は、「御館公園」となっている。

■ 能登、越中(石川県中能登町、七尾市、富山県魚津市) ~織田信長との対決の場、和倉温泉、金沢市近郊一帯。

 信長との激しい歴史的攻防の地、能登・越中。
「信長自身に、大将として最も大切なものが欠けていた。だから滅んだ。直江兼続はそのように思い至ったことだろう。大将として最も大切なものは何か。それは人徳である。家臣を思いやり、領民を思いやり、情けをもって政治を行う。・・(略)・・後に兼続は、兜の前立てに「愛」の一字を掲げる。」(参考文献1:69ページ)

謙信は、能登国守護畠山氏の居城七尾城を落城させる。織田軍は魚津城を落城したが、本能寺の変後に退散した。平成18年(2006年)、七尾城は「日本100名城」に選定された。史跡公園としてハイキングコースとなり、市内循環バスや自動車道・駐車スペースも整備され展望台もある。

■ 京・大坂(京都府京都市、大坂府) ~豊臣家五大老となった上杉家京屋敷、大坂城上洛

 「石田三成の手配により、初めて京に入った景勝・兼続一行が宿所とした本国寺は広大な伽藍を有していたが、昭和46年に移転。所在を示す石柱が堀川通りと大宮通りの2カ所に建っている。」(参考文献1:75ページ)
兼続と三成の出合いである。

秀吉は、聚楽第や伏見城を築くと同時に、臣下の大名たちをその周辺に屋敷を構えさせた。聚楽第の跡地には大名の官職名にちなんだ町名が残る。上京区弾正町は上杉景勝(弾正少弼)に由来する。伏見に移った名残として、景勝の名を冠した景勝町には、景勝橋も架かっているという。

■会津、白河(福島県会津若松市、白河市) ~秀吉の会津移封(いほう)120万石

 「慶長三年(1598)正月十日、秀吉は上杉景勝に<<会津移封>>の命を下す。・・(略)・・上杉家は越後と信濃領を手放す代わりに、会津をはじめ佐渡、出羽庄内などを領有。それまでの石高九十一万石に約三十万石が加増され、先代・上杉謙信を越える最大領地となった。破格の待遇である。」(参考文献1:88ページ)
 
 私は中学校の修学旅行で会津若松を訪れ、鶴ケ城を訪ねた。少年白虎隊の戦場の思い出が今も残る。会津若松を一望できる鶴ケ城の天守は、「鶴ケ城博物館」となっていて、本丸跡には千利休の息子、少庵が造ったとされる茶室(県重要指定文化財)もある。上杉時代、会津史上最高120軒の酒蔵があったとされる銘酒の産地でもある。

■出羽・羽前小松・米沢(山形県山形市、長井市、酒田市)
  ~家康より30万石への減封仕置きに新田開発、殖産産業、商業交易で米沢上杉藩を興す

 「食うか食われるかの戦国時代、多くの大名が滅んでいった。個々人の思想性が試され、わずかな者たちが生き残る。その分岐点はどこにあるのか。直江兼続は謙信が掲げた<<経済と義の両立>>というテーマを受け継ぎ、独自に進化させ、米沢できわめた。それにより主君の景勝を支えつづけ、上杉家を生き残らせることに成功したと言える。」(参考文献1:137ページ)

 米沢のシンボルである米沢城址は、「松が岬公園」となっている。米沢民藝館には、兼続が栽培奨励した青そや織物、織機が展示されている。最上川の氾濫を防ぐ直江石堤。米沢藩御用達の酒蔵、小島総本店が発売する「東光」。酒田は、戦国時代の交易中心であった日本海の商業都市。

 兼続は、大坂冬の陣に家康傘下上杉軍の武将として活躍した。
「上杉が参陣したのが、勝利の「第1の手柄」とされた。」(参考文献2:196ページ)
戦国最後の戦いであった。越後、会津、米沢と国内移転しながら、上杉家は兼続の力で戦国時代を生き残り、徳川300年の有力藩として明治を迎えた。NHK大河ドラマ『天地人』は、埋もれていた”愛”に生きた骨太の日本人リーダーを発掘してくれた。

以上

(参考文献)
1.火坂雅志『天地人を歩く-原作者が旅する知将・直江兼続ゆかりの地』(祥伝社 2008年9月)
2.吉田 浩 著、つだゆみ マンガ『直江兼続のことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版社 2008年11月)

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