佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2013/05/20 佐々木流 BI経営進化論 第19回 三方よし!企業支援は、『専門家連携』と『金専連携』の新時代
今年より、BIPは『専門家連携』と『金専連携』という異次元の企業支援モデルの挑戦を始めています。『金専連携』という言葉は、私の造語です。金融機関と専門家企業(BIP等)・専門家組織(経営士会、技術士会等)との連携の意味です。そのため、私は毎週金融機関や連携する専門家企業・専門家組織を訪問しています。
図:BIPの連携モデル
(1)日本経済の再成長が加速する可能性が高い
今、日本は約20年間の円高・資産デフレの自縛的経済戦争敗戦(小泉内閣・第1次安倍内閣を除く)から脱皮しつつあります。リスク資産である市場性証券(株式等)、不動産信託等への直接的・間接的買い手に変わった世界の中央銀行。資産や為替を経由して購買力創造する現代的経済金融政策。日銀も意思を持って、世界の常識である金融政策で世界的経済金融戦争への反撃を開始しました。
このチャンスを生かすも殺すも、国民の賢明な意識改革や政治選択と民間企業の自己努力の両輪になりつつあります。
米国経済は、FRBの金融緩和政策と世界一のシェールガス革命で経済復調が確実であり、ドル高・最高株価更新が継続しています。日本も低価格の電力供給が可能な限りという前提条件ですが、同様に画期的に名目GNP2%超える経済成長に向かうと思われます。
(2)BIPは、企業支援は『金専連携』モデルを共創
図:金融機関と専門企業の連携
今、日本企業には再成長への歴史的チャンスが訪れようとしています。しかし、多くの経営者や社員はそのことを信じられない、或いはどうしたら良いか分からないと思っています。
それには理由があります。大企業の多くは、直接金融と積年の財務改善で資本投資・設備投資が即可能です。ところが、日本経済の多くを支える中小企業は主要株主=経営者の少額資本であり、資金調達は間接金融がほとんどで、再成長への投資は、金融機関の理解が不可欠です。
一方、金融機関にとっては経済金融政策の激変によって国債運用だけでなく新規貸し出しへのシフトが必要なことは理解しつつありますが、貸出が不良債権化するリスクへの慣性的体質を変えづらい実情があります。企業の競争力を新たな視点で評価する新時代への変化が急激でその準備に戸惑っているのが正直と思われます。
企業の成長と再生は、経営者主導、株主主導、債権者主導の3つの力とその組み合わせで多様なパターンがあります。
戦後の長期的高度成長は、経営者=株主と債権者=金融機関の連携したパターンが多かったと思います。金融の国際化が進んだここ20年は、直接金融を中心とした上場企業では世界の株主による「株主主権」の洗礼に見舞われました。
これからは、どうなるのでしょうか。私は、企業毎に3つの力の組み合わせの多様なパターンがあって当然と思います。
特に、日本経済の多くを占める中小企業は圧倒的に間接金融です。その意味で、今回の新たな経済金融環境の激変に対応するためには、民間企業への企業支援をする『専門家企業』と資金供給する『金融機関』の連携が果たす役割は大きいと思います。
上記の図のように、民間企業、金融機関、専門家企業のWIN=WINの関係共創ができれば、三方よしが成り立ちます。
(3)BIPは、企業支援の『専門家連携』プラットフォーム
図:BIPのコンサルタント・講師
図:BIPのコンサルティングサービス
それでは、専門家の側は、どうあるべきでしょうか?
20年以上の経営者とコンサルティングの経験から、『専門家連携』プラットフォームが必須と考えました。分散した個人あるいは小規模事業者の専門家では、これからの企業ニーズ・ウォンツに総合的にスピーディーに対応するのが困難です。
BIPは、大変な先行投資ですが、2013年より一気に10名以上のコンサルタントプラットフォームに進化しました。また、事業承継、M&A、事業再生、品質管理、技術開発、組織人事等のテーマ別のトップ企業、組織、一流専門家との提携を推進しています。
企業目線で考えた時に、BIPが求められるのは、事業戦略・経営戦略という経営全般に対する経営診断と経営改善・経営革新の助言・実行支援と同時に、人事評価制度、ICT戦略、販路開拓、生産改善、マーケィング等専門的課題の具体的解決の両方です。
その点について、一流の戦略系コンサルタントである波頭亮氏は30年間にわたる経営コンサルティングの仕事から以下のように述べています。ご存じのように、波頭亮氏は外資系コンサルタント会社マッキンゼー&カンパニーで勤務した後、独立して㈱XEEDを設立し、戦略系コンサルティングの第1人者として活躍している方です。
「戦略系コンサルティングには、次のような特徴が生まれる。トップマネジマントが直接のクライアントであるために、その企業にとって最も重要な経営課題が対象になるということ。また、経営戦略全般が対象であるために、事業戦略だけでなく組織や人事マターも、R&Dやシステムも、ブランドもマーケティングも、企業運営に係わる全ての経営課題を扱う可能性があるということである。」(参考文献2)
1月よりの「現地・現物・現認」による仮説検証の実践で、実相が一層把握され、急速に成果が生まれつつあり、仮説が確信へと変わりつつあります。もちろん、具体的方法は多様な特殊解・個別解の積み重ねです。
皆様のご指導、ご意見と共に具体的なご協力、ご支援をお願いする次第です。
参考文献
(1)月刊誌『Voice』平成25年6月号((株)PHP研究所 本体648円+税別)
(2)波頭 亮 『経営戦略論入門 経営学の誕生から新・日本型経営まで』(PHPビジネス新書 2013年5月 定価 本体860円+税別)
(3)BIP WEBサイト ・・・「多彩なコンサルティングサービス」
≪BIP ブックモール≫
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佐々木 昭美(ささき あきよし)
取締役会長 総合研究所所長
経営コンサルタント(経営改善、事業開発、ビジネスモデル、 人事戦略、IPO、M&A、社外取締役)
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