佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2010/06/14 「あ!来た、来た!」「はやぶさ」地球帰還をライブで見ました!世界初540mの小惑星「イトカワ」探査の快挙!
「あ!来た、来た!」オーストラリアから発する声がはっきりと聞こえた。昨日13日夜、「はやぶさ」が大気圏突入し、画面が一瞬大きく光り、光跡を描いて燃え尽きる場面をライブでしっかりと見ました。「はやぶさ君」、本当にご苦労様でした。午後7時頃より地球帰還の様子を、日本・世界から集中するアクセスで断絶しながら続く動画ブログ中継、Twitterブログで見続けていました。13日産経新聞朝刊は、9面「探訪」欄で素晴らしい写真を特集で提供していました。
(「探訪」の動画はYouTubeの「産経新聞チャネル」http://www.youtube.com/sankeinews/で見られます)
帰還成功という偉業のニュースが急速に広がり、本日14日新聞・TVも大きく報道しています。
無人小惑星探査衛星「はやぶさ」が、7年間60億キロの激闘の旅路から深夜地球に帰還した。本体は大気圏突入時に燃え尽きたが、直前にカプセルを分離し、パラシュートでゆっくり降下、オーストラリアのウーメラ地区砂漠に予定通り着陸した。
感動しました。世界の惑星探査の歴史で、月以外の天体に着陸した探査機が地球に戻ってくるのは初めての快挙であるそうです。そして、宇宙創成解明への夢をめざして、原始太陽系の姿をとどめているとされる小惑星「イトカワ」の軟着陸による土壌採取への挑戦。励まし続けている日本・世界の多くの人々。「世界初」「世界一」とは、未知・未開を切り開いて「道」をつくったサムライ勇士たちへの金メダルだと思う。その栄誉を心から賞賛したいと思った。
小惑星探査衛星「はやぶさ」の目的、7年の長旅の姿、トラブルとの冷静な戦いの感動的ドラマを是非皆様にも見て感じてほしいと思いました。もうご存じの方も多いと思いますが、今回のBIエッセイはその紹介をさせて頂きます。
(1)キッズ向け『はやぶさ君の冒険日誌』をまず見て下さい。わかりやすいですよ
提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
JAXA(宇宙航空研究開発研究機構)ホームページにキッズ向け『はやぶさ君の冒険日誌』があります。(http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml)
2003年5月9日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」のミッションを知る。数十万個存在する小惑星。地球と火星の間に米国チームで発見された小惑星をロケット博士故糸川英夫教授の名にちなんで命名された「イトカワ」。46億年前爆発時の原始宇宙の素材を解析するため、その「イトカワ」の土壌を地球に持ち帰る。
その7年間60億キロの旅は、苦難に充ち満ちていた。「はやぶさ」は2メートル角に満たない。技術の粋が縦横に駆使される。新しい推進装置のイオンエンジンで宇宙空間を長期間運行してみせた。物理特性をX線照射で解析し情報を地球に送信した。満身創痍の「はやぶさ」の奇跡的航海を支えた技術的背景を知ることができる。
私はしばし少年になった。キッズ向けの分かり易い文章を読みながら、ジーンと胸に迫るものを感じ、目が潤む。日本の科学者、技術者たちの頭脳とチームワークに私も日本人としての誇りを頂いた。
(2)『JAXA小惑星探査機はやぶさ物語』でリアルなCG映像が楽しめますよ。
JAXAホームページでDVD『JAXA小惑星探査機はやぶさ物語』をリアルなCG画像でみることができます。「はやぶさ」による小惑星「イトカワ」探査のようすがわかります。2005年11月20日と26日の2回軟着陸し、離陸にも成功しました。小さな「はなぶさ」が岩石の多い地面に降り立ったのは奇跡に近い。また、「はやぶさ」が撮影した小惑星「イトカワ」の高精細画像がみられます。
宇宙空間にある540mの小惑星の小ささが良くわかります。2m弱の「はやぶさ」が更に点のようである。コスモスと超ミクロの対照が、一層素晴らしい科学技術への賞賛の心を生み出すのかもしれない。
日本、世界の多くの方々に「はやぶさ」帰還への共感が広がっている。一方で、「はやぶさ2」の今年度予算17億円要求が政権交代で3000万円に激減し、製造に着手できないでいるという小さな新聞記事を見て唖然とする現実も知った。
人類の宇宙探査への夢を日本が担っていることの意味と誇りを味わった。「はやぶさ」地球帰還は、日本の科学技術力の輝かしい成果である。世界一を目指したからこそできた日本人科学者・技術者と応援した日本人・世界の人々の爽やかな未来づくり伝説として記憶したいものである。
以上
(参考文献)
1.JAXA(宇宙航空研究開発研究機構)ホームページ http://www.jaxa.jp/
2.産経新聞 2010年6月13日号、14日号
3.日経新聞 2010年6月13日号、14日号
4.読売新聞 2010年6月13日号、14日号
5.You Tube 産経新聞チャネルhttp://www.youtube.com/sankeinews/