佐々木昭美のBIエッセイ 明るく楽しくイノベーション
2008/08/18 乾杯!最高のおもてなし真夏ギリシャの旅
-エーゲ海の青と白、古代と現代が同居する西洋、パルテノン神殿望む夕食-
今年の夏期休暇は、ギリシャの旅を楽しんだ。特定の勧めをしない主義であるが、若い皆さんには、是非ギリシャへの旅をお勧めしたいと思った。私たちのツアーにもギリシャ3回目のご夫婦がいました。ギリシャは、幾百の座標で楽しめる国である。真夏の旅は暑いが、風景の美しい半島と数々の島からなり、温暖で湿度の低い地中海性気候で1年を通じて300日が晴天という爽やかな国である。(1)感動と楽しさに溢れるギリシャの旅
ギリシャ人は大のお客様好き。世界中からの旅行者を笑顔で迎えます。「カリメーラ(こんにちは)」の挨拶で、もう気楽に友達づきあいが始まるという。シエスタ(昼寝)の習慣があり、海や山の幸に恵まれたこの国の食卓は楽しく、タベルナ(ギリシャ風レストラン)の夜は陽気な雰囲気に包まれる。遊び上手で、ちょうどバカンスシーズンのギリシャは、観光地は混雑しているが、アテネ市街で車の渋滞に遭遇しなかった。
現代を楽しむ。憧れのエーゲ海クルーズと島々のロマンテイックなホテル、極上のレストランと多彩なギリシャ料理、フォリ・フォリ本店の新作。もちろん、ギリシャはユーロ圏でアテネでの買い物も便利で楽しい。2004年オリンピックの効果でしょうか、街もトイレもきれいでした。自由に時間のとれる方は、カルチャー・フェステイバル、ワイン・フェステイバルのイベントを調べるのも良いでしょう。
神話と史実が交錯する。紀元前3000年からの神話・遺跡に彩られた古代人の美と文化と出会う。幾世代の建築・彫刻の美、タレス・ソクラテス・ピタゴタスなど哲学・科学創成の地、アクロポリスの神殿、アポロンの聖域のあるデルフィー。険しい奇岩に林立するメテオラ修道院。アレクサンドロス大王帝国創立後、ギリシャ文明は東方にも広がり、ギリシャ美術とインド思想が融合し、仏像をもつ独特の仏教美術が誕生したのは有名ですね。
ギリシャは、日本の1/3の面積、人口1,100万人。史上最初に誕生した民主主義の国。ギリシャ正教90数%の国民で、イスラム圏と接する3000余の島々を持ち、“人間賛歌”ルネサンス原点の西洋である。
(2)340万都市アテネは、古代文明と現代文明が自然に同居する西洋ポリス
アテネは、道路の両脇は車の駐車で埋まっている。地下を掘ると遺跡が出てくるので地下駐車場は作れないという。シュリーマンの夢は現実であった!ギリシャは、紀元前3000年の遺跡と時間を超えて同居している不思議だが自然な西洋現代都市である。
アクロポリスとは「上の都市」を意味する古代の聖域である。紀元前406年完成のエレクイオン神殿と紀元前432年建立されたパルテノン神殿に登る。考古学博物館のアガメムノンの黄金マスク、あらゆるデザインの原型がみられる彫刻の数々は圧巻である。アテネ文明の英知を結集した構造美と芸術美である。
ギリシャ文化は、ローマ、ビザンチン、イスラム時代の苦難の後、自然と人間の本質を賛美するルネサンスに引き継がれた。大理石の力か、言葉、建築、アート、人間など古代人の息吹が世代を超えて伝わってくる。古代人にとっても現代人にとっても、人間讃歌は歴史・国境を越えた人間社会の原点である。西洋でも、日本でも文明国に共通である。
夜8時、すぐ目の前のパルテノン神殿がライトアップで浮かび上がる。世界のトップが集うレストランデイオニソスの紳士、淑女に笑顔がはじける。私たちのグループは、最高の場所の野外レストランでカメラのフラッシュが光る。もちろん、デイナーは、ギリシャ料理。シーフードリゾット、ポークとポテト、アイス。
2004年オリンピックが、発祥の地アテネで開催された。新しいオリンピック競技場
をバックに写真を撮った。ちょうど、ギリシャ旅行とともに2008年北京オリンピックが始まった。4年毎の世界祭典であるオリンピック開催と共に、ギリシャの旅は永遠の思い出となるでしょう。
国会議事堂と隣りあうシンタグマ広場は、ビジネス、行政、金融、観光、文化の中心であり、アテネのヘソと呼ばれる通り、交通の要所である。地下鉄、路面電車、バスが集中する。観光にも便利でわかりやすい。ホテルのシャトルバスも活用した。
東側に広がるコロナキ・エリアには、一流ブランドやブテイックとおしゃれなカフェが続く。自由行動の日に昼食したカフェはビジネス街にあり、ハイセンスで明るい雰囲気で美味しかった。中心街のスーパーマーケットで、ブラックオリーブのパテ、白ゴマとはちみつたっぷりのギリシャ菓子「パステリ」を買った。
西側のエルムー通りは歩行者天国のようで、ショッピングストリート、カフェで活気があり、ギリシャブランドのフォリ・フォリ本店もある。私の娘は、ファッション時計が気に入ったようである。フォリ・フォリは、日本で知らない時代にハワイのショッピングセンターで初めて見つけた時を思い出した。ファッショナブルで手頃な値段は女心を掴んでいた。
隣接する南側には、19世紀の民家がそのままみやげもの店やタベルナが並ぶ旧市街。
観光客が多く、ゆったりと歩いている。珍しくシャレた雰囲気のガラス細工専門の工房ショップがあった。日本を訪ねたことがあるというマスターが、親切に在庫をすべて見せてくれた。透明な青をベースに赤い絵柄のギリシャ作家の一番素敵な飾り皿が手に入った。
もちろん、個人差があるが、ギリシャ料理は日本人に馴染めやすいと感じた。主たるギリシャ料理を体験した。前菜に特徴があるようだ。ムサカ(ひき肉とナス、ジャガイモなどの野菜を重ね、ペジャメルソースと粉チーズをかけてオーブンで焼く)、ドルマデス(トマトとピーマンライス詰め)、ホリアテイキ・サラダ(グリーンサラダ、フェスタチーズ、オリーブの実)。メインは、肉料理とシーフード料理両方です。デザートにバクラヴァス(クルミとドライフルーツのパイを蜂蜜やシロップに浸したお菓子)やフルーツ、アイスである。ギリシャ人は、甘いのが好きなようである。
(3)エーゲ海クルーズは、楽しい!現代ギリシャ最初の首都エギナ島散策。
アテネから、1日のミニクルーズから1週間のクルーズなど多様な楽しみが用意されている。もちろん、島々での長期バカンス用のロマンティックミニホテルが多くあるそうだ。詳細はガイドブックに譲り、ミニクルーズの印象を記します。
◇ポロス島
アテネのピレウス港から出発して2時間の船の旅。デッキで涼しい海風を受け、紺碧のエーゲ海にカメラを向ける。島々の白い建物とのコントラストが美しい。小高い時計台に登ると絶景のスポット。ポロスとは「狭い通過点」という意味なそうで、対岸のオリンピアがあるペロポネソス半島との距離は400Mである。◇イドラ島
ロバと馬が活躍するこの島は、18-19世紀に海上貿易で富を蓄えた海運の中心であったという。芸術家が集まる島で、通常のみやげもの以外に、作家の作品を探す時間もうれしい。観光客用のあらゆるみやげ店が一杯あり、買い物に歩いて疲れたら休憩するカフェも多い。イケメンの青年ウエーターのカフェで冷たい飲み物で休息。◇エギナ島
紀元前480年頃のアフェア神殿をみた。近代ギリシャの最初の首都があったと言うガイドさんの説明に意外感を覚えた。世界史の一般知識ではわからないバルカン地域の歴史の機微に触れた気がした。丘に小さな教会が200程あった。小さな家族や村人が支えているのだろう。日本の田舎の神仏と同じ感覚を持った。ピスタチオで有名な島。4袋の値引き攻勢に、レモンビネガーで味付けしたピスタチオがおみやげとなった。◇船内アクティビティー
青い海、青い空、白い建物群を周囲に、船上の昼食を楽しむ。前菜(タラモサラダ、ザジキ、ナスペースト)、スズキのオーブン焼き、スイカのギリシャ料理。北ヨーロッパのバカンス観光客が多かった(イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、日本各100名程その他)。伝統的な音楽やダンスなどのショー。ダンスタイムは世界各国から来た旅人が一緒に踊りに加わり、楽しい交流の時間になった。ギリシャにとって、日本人はやはり大事なお客様であり、日本語専属スタッフも複数であった。
ミニ旅行記となってしまいました。専門的正確性は保証できませんのでご了承ください。
以上
(参考資料)
ギリシャ政府観光局 『ギリシャ総合案内』
ソフィア・スーリ著、池田元洋訳 『ギリシャ神話』トウビス出版社
阪神航空 『ギリシャ』
JTBパブリッシング 『るるび ギリシャ・エーゲ海』