2016/10/18 第9回「情報公開のあり方」
昨今、非営利団体の情報公開の未熟さが話題になっています。日本の企業文化として「もめ事」を避け「根回し」を優先し、内々で物事を決める傾向があります。その為、いざ情報公開を要求されると曖昧に対応せざるを得ません。
例えば、日本の大学が受理した博士論文は、本人が国会図書館に登録した論文は、国会図書館で見ることが出来るが、登録されていない論文は見れない。
最近 私は、ProQuest から「2015年に、あなたの博士論文の販売で$32.44の著作権使用料をあなたは得ました。これを受け取るために、納税の手続きをしてください」との手紙を受け取った。2010年、私の博士論文を大学が受理した後、論文の表紙の次に「UMI Number:xxxxxxx Copyright 2010 by ProQuest LLC」と書かれた頁が挿入され、その後、米国著作権事務所から論文の「Certificate of Registration」が届きました。米国の大学で受理された博士論文はすべてProQuestが管理し、すべての博士論文を誰でも見ることができます。今回、私の論文には、日本の5社の企業の社長のそれぞれ1週間の行動が観察され、ヘンリー・ミンツバーグが考案したカテゴリーにデータが分類されています。この論文の販売による収入と思われます。
日本の大学の評価レベルが国際評価から年々下がっていると言われています。学術レベルでは高水準にあると思いますが、システムが国際化していないのではと思います。先に博士論文の管理を述べましたが、博士論文が大学ごとに管理され受理した評価の透明性に欠けるところもあります。
日本では、非営利団体の情報の管理がその団体の中で管理されています。情報公開を前提に考えるなら、第三者機関が情報を管理する方向になることが、第一歩であると思います。
一方、営利団体で不祥事が報道されると、必ず責任者は「コーポレート・ガバナンスを見直します」と回答される。ガバナンスを強化することも一理ありますが、最高経営責任者の「高い倫理観」と「人の話を聴く行動」が最善策と思います。最高経営責任者の資質の向上に向け、米国ではエグゼクティブコーチングが普及していますが、未だ日本ではあまり関心を示されないのは残念であります。
山岸 敏彦(やまぎし としひこ)
コンサルタント 顧問(Stakeholder Centered Coaching)
Stakeholder Centered Coachingライセンスを取得し、社長や経営者のコーチング活動をしています。社内外に絶対的な影響を与える経営者の良き相談相手です。
このコラムでは、Stakeholder Centered Coachingについてご紹介してきます。
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