2016/01/05 第33回「商品企画シリーズ⑫(石黒啓司) ■商品のライフサイクル理論(その3) 競争期」
明けましておめでとうございます。
新しい年が皆さんにとって、そしてビジネス面でも良い年となることを祈りつつ新年のコラムをお送りします。
商品のライフサイクル理論も(その3)を迎え、今回は競争期に焦点を当ててお話を進めます。
競争期と言うと、先ず頭に浮かぶのは他社との競争…と考える方が多いと思います。
しかし、競争期で最も重要なのは『そのビジネスを今まで通り継続するのか』と言う戦略面での大きな判断であることを頭に置くべきです。
商品企画は正にビジネス戦略です。
従って、単純に『商品の競争力』『価格競争力』『新機能』など商品自体を論ずる前に、そのビジネスをマクロに捉えて『今後何年続くビジネスなのか』を始めとして『収益性は維持出来るのか』『他のシステム、フォーマットに切替るのは何時なのか』などを見極める判断力が企業にとって最も重要だと言うことなのです。
競争期のお話は単発コラムではなく、マクロな判断~市場の読み~具体的商品など2,3回に分けてポイントをお伝えしたいと考えます。
先ず『そのビジネスを今まで通り継続するのか』をイメージしやすくするために次のチャートをご覧下さい。
このチャートにあるように、競争期では他社との競争が激化し、商品の魅力度として機能アップ、デザイン、新しいベネフィット、生産供給力、コストダウンと低価格化、商品Line-upの豊富さ、複合商品化など広範囲の競争に入ります。
また商品だけでなく、マーケティング面でも販路へのマージン対応、宣伝投資、また商品企画だけでなく海外展開や新販路拡大などの課題も急増します。
今回のテーマである『そのビジネスを今まで通り継続するのか』で一番重要なのは『いつまで利益を刈り取れるのか』であり『価格の過当競争=共倒れ』からの脱却なのです。
これらを如何に判断するか…そして『捨てるべきビジネスの勇気ある判断』が重要なことは皆さんにも理解出来ると思います。
ここで必要な判断の基準となるのが次のチャート、『競争戦略 と 成長戦略の選択』なのです。
これは以前にも取り上げたテーマですが、改めてご紹介します。
競争期でも負けない総合力を揃え、正面から戦う展開も勿論あるでしょう。
それに打ち勝って独占的なドミナントポジションを確立する経営もあります。
しかし、競争期にどっぷり浸かって喘ぎながらビジネス展開して自滅する企業も多く見受けられます。
本日、私が皆さんにお伝えしたいのは、後者の失敗を如何に乗り切るかです。
そしてその為には過当競争のパターンから新しい提案商品にスッパリと切換える選択もあること、すなわち『競争戦略を取るか成長戦略をとるか』の判断を一度でも良いから頭に置くべきと言うことです。
勿論、成長戦略がベストではないし、リスクも多々あります。
ただ、競争期の乗り切り方として一度は頭に置くべき重要性をお伝えしたいのです。
さて、次回からはこの一番厳しい競争期の具体的闘い方について様々な視点でテーマを設定し、分かり易くお送りします。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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