2015/09/01 第14回「ROE(自己資本利益率)について」
前回に引き続いてROEについて見ていきたいと思います。ROEとは、Return on Equity、自己資本利益率のことで、当期純利益を自己資本(純資産、株主資本)の額で除して計算され、自己資本を使ってどのくらいの利益を生み出したかを視るものです。
ROEは以下のように分解して考えることができます。
上式のように、ROEは売上高純利益率、総資本回転率、財務レベレッジの3つの要素の掛け算となります。
7月24日付けの日本経済新聞に、日本企業のROEが低い理由について、大変興味深い記事がありましたので、紹介します。この日経の記事では、日本の企業が欧米に比べてROEが低い理由を、やはりこの3つの要素に分解して説明しています。
[出典:7月24日付け日本経済新聞]
日本経済新聞は、上表のデータから、日本のROEが6.8%と米国16.0%、欧州15.4%と比べて低い理由は、日本企業の売上高純利益率、即ち事業マージンが3.3%と、米国8.3%、欧州7.2%と比べて、低いことにあると説明しています。日経記事を引用すると『「問題の核心は、事業マージン、つまり「稼ぐ力」が弱いことだ。』という表現になっています。
確かにこのデータを見ると、ROEという資本利益率が低いのは、売上高利益率が低いことが主因となっているようです。売上高利益率が欧米に比べて低いということもよく言われていることです。私はこの記事を読んだとき、「やはりそうだったか」という想いでした。
日本企業がROEを上げるためには、資本回転率を上げたり、財務レバレッジを効かすということもありますが、データを見る限り、やはり売上高利益率を上げることを強く意識する必要がありそうです。
以 上
大塚 直義(おおつか なおよし)
コンサルタント(経営戦略、事業計画、経営管理の仕組み、海外事業、M&A)
経営戦略、事業計画の作り方、経営管理の仕組み等、役立つ情報を事例を交えてご紹介していきます。
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