2015/05/07 第6回「自分のリーダー・シップスタイルの癖を知る」
客観的な視点を得ながら自分を謙虚に見つめ直す。
社長は会社の状況を包括的に知ることが必要である。その為には、如何に多くの情報を社内外から得られるかが重要である。周囲から情報を得るためには、如何に上手に聞くかでほぼ八割が決まる。聞くことは受け身の行動だと勘違いしている人が多い。上手な聞き手は、聞くことはとても活動的なプロセスだと考える。すべての筋肉、特に脳みそをよく働かせる。「Stakeholder Centered Coaching」を開発したMarshallは、「フランシス・ヘッセルバイン以上に聞き上手な人を知らない」と云う。彼女はガールスカウトのエグゼクティブを13年間務め、多くのことを実にみごとに成し遂げたが、わけても優れた点が一つある。それは、話す前に考えることだ。その結果、彼女は世界一流の聞き手でとなった。大半の人は聞くことを、話していないときにとる行動と思っているが、フランシスは、聞くとは二つの部分からなる行動だと理解している。一つが実際に聞くこと。もう一つが話すことだ。話すことで、私たちがどのような聞き手であるかがわかる。何を言うかで、どの程度よく聞いていたかがわかる。これはコインの裏表だ(What Got You Here Won’t Get You There : Marshall Goldsmith with Mark Reiter 斉藤聖美=訳)。
人の話を聞いているとき、次に何を言おうか、人は頭の中で考えていることがある。 しかし「言う価値があるか」と自問すことは少ない。つまり「正しいことであっても言う価値がゼロだ」ということもある。それは相手が本当に聴いてくれたことに対する返事と思われたときに価値がでるのである。人の話を聴くということは「自分にとってプラスになる」ことである。だから返事が「相手にとってどんなプラスになるのか」に「言う価値」がある。
私の知り合いに、売上高500億円規模の会社の社長がいる。彼はとても謙虚な人柄と見られている。彼はステークホルダー(社員、取引先、金融など内外部者)から情報を得ると一言「ありがとう」と答える。それ以外、付け加えません。この一言で、彼はまたステークホルダーから情報を得ています。当然、無意味な情報もありますが、全く気にしません。「ありがとう」と返事をします。「ありがとう」は謝意の言葉であります。受けた人は間違いなく「謝意」を返してくれたと認識し、また何か役立てたいと思うのでしょう。
彼のステークホルダーは、国内だけでなく国外にもあるので、集まる情報は、会社の重要な決定事項(例えば、どの国に何時頃工場を進出すべきかなど)を彼が決断する場合非常に参考になっていると語っていました。
山岸 敏彦(やまぎし としひこ)
コンサルタント 顧問(Stakeholder Centered Coaching)
Stakeholder Centered Coachingライセンスを取得し、社長や経営者のコーチング活動をしています。社内外に絶対的な影響を与える経営者の良き相談相手です。
このコラムでは、Stakeholder Centered Coachingについてご紹介してきます。
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