2015/04/03 「ビジネスプランニング:事業戦略シナリオ策定のためのフレームワーク【BP-S】」
こんにちは。高木 仁(たかぎ ひとし)です。
前回のコラム(https://www.bi-p.co.jp/column/3622/)では、ビジネスプランニング最強のフレームワークである【BP-ViMoSA】を紹介しました。今回は、この中で十分に説明できていなかった【Scenario:事業戦略シナリオの策定】についてご紹介したいと思います。
■Scenario:事業戦略シナリオの策定とは(前回の復習)
事業戦略シナリオとは、設計したビジネスモデルを具体的に事業化していくための、現状認識・分析を行うとともにストーリーを描いていくことです。事業戦略シナリオは次の12項目について考えます。
①ターゲット顧客特性と競争の本質、②市場規模、成長性、 ③解決すべき重要な課題、④競合他社の動向、⑤技術、標準化、規制動向等、⑥自社の強み、弱みの認識、⑦事業成功の鍵、⑧勝つ戦略の要点、⑨優先順位付けと経営資源配分、提携戦略等、⑩組織体制(開発、調達、生産、マーケティング、営業等)、⑪資本、資金政策、⑫数値シナリオ(3つ)と事業リスクの整理と対応
12項目も考えなければならないのか?と考えるかもしれませんね。
事業戦略シナリオの策定にあたっては、12のパーツを6つのブロックに分けて考えるフレームワーク「BP-S」を使うと整理がしやすくなります。それぞれのパーツ・ブロックの関係性に留意しながら、全体として整合性のとれたシナリオを描くことができます。
■シナリオ:現状認識・分析
BP-Sの上側と右側に注目してくだい。
ここでは、シナリオ全体の整合性を保つために、ビジネスモデル設計までに収集・分析した情報を戦略の戦局を想定して整理するとともに、必要に応じて詳細に分析を行います。
特に【市場・顧客】の把握は重要です。スタートアップ時点でターゲットにする市場・顧客を絞り込んだ上で、業界のキーパーソン、研究者、投資家、実際の顧客(候補)へのインタビューなどを通じて検証を行います。
一方、事業をスタートしていない段階で、いくら調査・分析を緻密に行ったとしても、実際に事業を始めると違っていたというケースがほとんどです。事業を進めながら修正をかけていくことが現実的です。
■シナリオ:ストーリー
BP-Sの左下に注目してくだい。
事業戦略の実行に向けて、「具体的な方策」を体系的に整理し、勝ちを得るまでのストーリー(一連の流れ)を組立てます。
実行段階では、事業の戦局ごとに部分的に対応するだけでは意味がありません。局面ごとに必要な要素(パーツ、ブロック)を連動させて、一つのストーリーを組み立てる必要があります。
また、経営環境の変化に応じた意思決定を可能にするために、複数のストーリーを用意しておくことも重要です。特に、リスクマネジメントの観点から、事業リスクが発生した場合の対応も検討しておく必要があります。
・新たな事業を立ち上げて実行していかなければならない
・今の事業を改革していかなければならない
そういう事業リーダーの方には、ぜひとも活用していただきたいフレームワークです。
高木 仁(たかぎ ひとし)
コンサルタント(IT企業 企画提案力強化・人材育成、フランチャイズ本部構築)
私は、フランチャイズコンサルを専門領域の一つにしており、フランチャイズ本部の構築や本部機能の強化などの支援をしています。このコラムでは、フランチャイズビジネスの情報や、フランチャイズ事業化を検討中の皆様に役立つ情報を中心に発信していきます。
※読者の皆様へ、より便利に参考情報・参考書籍をご紹介するために、Amazon.co.jpアソシエイト・プログラムを採用しています。
◆ご質問・お問い合わせはこちらから
専門コンサルタントへの、ご質問、ご相談等、お気軽にお問い合わせ下さい。
ビジネスプランニング演習 構想ビジョンを具体化計画に落としこむ!
事業アイデア、ビジョンも、売上につながるまでの周到な実行計画が立てられなければ実現できません |