2014/10/16 第4回「なぜ、社長にStakeholder Centered Coachingが重要なのか」
フィードラー(F.E.Fiedler)はリーダーシップの有効性に関するコンティンジェンシー理論を提唱し、「どのような状況においても最良のリーダーシップのスタイルは存在しない」ことを明らかにした。言い換えると、決められた方法を続けるのではなく、現状に応じてスタイルを変化させるべきである。社長の人格やリーダーシップが組織に良い影響を与えるような行動をとる。つまり、社長がステーキホルダーから真実な声(良いことも悪いことも)を聴くことができれば、環境の変化を知ることができ、その変化に応じた最適なリーダーシップがとれるのである。
日本の企業では、稟議制を採用しているので社長の権限がすべてでないと見られているが、マネジメントに関わる事項はその殆どは稟議制の外に在る。社長の権限は独裁権に等しい(誰でもわかる社長の仕事:服部光男)。社長の権限は実に大きい。そこに責任の重さと怖さがある(本当に、社長らしくなったもんだ:松井健一)。だからこそ社長の公正さが重要であるが、日本の企業では、社長の悪癖を忠告するステーキホルダーはいないし、社長自身も自分の悪癖に気づいていない。真実な声が届かない。では、どのようにしてステーキホルダーから真実な声を聴くことができるのか。
その手段がStakeholder Centered Coachingである。
マーシャル・ゴールドスミスが実践したコーチでステーキホルダーから得られたエグゼクティブの悪癖の改善に対す提案をまとめた20件がある。そのアドバイスから自身が思い当たることがありませんか。
ステーキホルダーの提案20
- 意見が違っても、辱しめるようなことをしないでください。
- 人前で、彼らは間違っていると言う前に、異なった観点に耳を傾けてください。
- 人の話を聞く前に「どんなもので」「どうやって」と知っているよと決めてかからないでください。
- 共感するものを見つけてください。 「だが」とか「否(いや)」で返事を始めないでください。
- 彼が退室すると、ほっとします。 会議で、非常に破壊的行動、 特にボディー・ランゲージが目立ちます。
- 彼は 「私は正しく、あなたは間違っている。」と思わせる発言が好きです。
- まず、否定的に言う前に、何か肯定的なことを言ってください。
- あなたの 過去の振舞いを皆に謝れば、人はあなたの行動が良くなるように支援するでしょう。そのことが重要であると見なされねばなりません。
- 彼のEメールのトーンは、人を非難し、責めることから始まります。 だから、書いたら、すぐ送らないでください。 怒っているときには、2、3時間待ってください。
- 彼は、人を言い負かすことで、自分の人格が形成をすると思っています。
- 人と話すときには、彼らの目を見てください。
- 彼は「私は、これに関するあなたの意見が欲しいと思います。」とめったに言いません。 人を信頼し 防衛的にならないでください。
- 彼は正義感が強いので、人を悪く言うのを止めてください。
- 彼は実際、正しいのですが、人を引き出すような行動をしていません。 彼は全く自分本位です。
- 彼は自分のグループがあまりうまく行っていないと、経営者会議に行かないことがあると皆が感じています。
- 非常に賢くて、やる気満々であるので、彼は絶えず人に失望しています。
- 人を信頼して責任のある状態にさせれば、もっと有効な仕事が出来ます。
- 彼は、もっと人の向上心がもてるような努力をすべきです。
- 情報を自分だけで保持せず皆と共有してください。共有することで信頼を築くことができます。
- 人々をもてあそぶのを止めてください。彼らの要望を尋ね、話を聴いてください。
山岸 敏彦(やまぎし としひこ)
コンサルタント 顧問(Stakeholder Centered Coaching)
Stakeholder Centered Coachingライセンスを取得し、社長や経営者のコーチング活動をしています。社内外に絶対的な影響を与える経営者の良き相談相手です。
このコラムでは、Stakeholder Centered Coachingについてご紹介してきます。
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