2014/06/18 第2回「Stakeholder Centered Coachingとは」
マーシャル・ゴールドスミスの開発したStakeholder Centered Coaching はCEOかCEO候補の行動(振る舞い)をコーチする手法です。 アメリカの場合、CEOかCEO候補から直接コーチの依頼はない。取締役会から依頼がくる。依頼を受けるとコーチはまず、CEOかCEO候補(顧客と呼ぶ)に顧客にとって何が問題かを認識させ、その問題を改善する意思があるかを確認して、顧客との間に契約書を交わし、初めて改善へのプロセスが進む。
具体的には、コーチは顧客と面談し、5人から15人のステークホルダー(顧客と一緒に改善の為に働く人々)を選別してもらいその人選を依頼者に承認してもらう。承認されたステークホルダーに顧客のあらゆる面(判断、行動、言動、等)について述べてもらう。この事を360度フィードバックと云う。コーチは、このフィードバックの内容に関しては秘密保持を原則とし正確な情報を得なければならない。そのためにコーチはステークホルダーに4つの依頼をする。1.過去の出来事に拘らないで下さい。2.真実を話してください。3.皮肉、否定的な態度を取らないでください。4.あなたも何か改善したいことを選んでください‐(顧客と対等にさせる)。そして顧客の強みと弱みを評価する。その後、顧客と会い、得られたフィードバック(みんながホンネのところではあなたのことをどう考えているか)を説明し、顧客が改善の必要性を認め、将来行動を改善する決意を示したら初めてどのようにすればよいかを話す。改善への行動は、ステークホルダーが改善されたと認めるまで行われ、通常1年から1年半の期間を費やす。
「コンサルティングと違い、コーチィングは決して答えを教えてくれません。質問を繰り返すことによって、顧客自身に答えを出させる(「徳」がなければリーダーにはなれない: 岩田 松雄)。」
Stakeholder Centered Coaching は、1か月に1度、顧客がステークホルダーと面談をしながら顧客自身が改善への答えを見つけます。面談で、顧客は7つのステップの過程を行います。コーチは、顧客がステークホルダーに会う前に、リハーサルの手助けをします。
ステップ1.フィードバックを求める
ステップ2.上手く聞く
ステップ3.「ありがとう」と言う
ステップ4.話す前に考える
ステップ5.フィードバックへの対応をする
ステップ6.自分を変える
ステップ7.フォローアップする
ここで重要なことは、会話のポイントをフィードバックでなくフィードフォワードにすることである。フィードバックは「過去の過ちの指摘」に留まり、「どうやって改善するか」まで発展しない。した方にもされた方にもわだかまりが残る。フィードフォワードは「お互いに将来に関する示唆を求め、アイデアに耳を傾け、指摘されたことに対し単に礼を述べるだけにし、過去のことを持ち出さないがルールです。
日本でも、Stakeholder Centered Coachingの市場が開ける環境が整いつつあります。
社外取締役導入企業の割合が、東証上場企業の55%程度から6月の総会後には「7割程度まで上昇する」と予想する。社外取締役導入企業の急増が見込まれる背景には、今国会で成立見通しの会社法改正案では、社外取締役を置かない上場企業は株主総会でその理由を説明することが必要になることがある(時事通信 20014年5月4日)
山岸 敏彦(やまぎし としひこ)
コンサルタント 顧問(Stakeholder Centered Coaching)
Stakeholder Centered Coachingライセンスを取得し、社長や経営者のコーチング活動をしています。社内外に絶対的な影響を与える経営者の良き相談相手です。
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ラムでは、Stakeholder Centered Coachingについてご紹介してきます。
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