2014/03/01 第22回「商品企画 シリーズ① (石黒啓司)■商品企画の本質とは?・・・商品を基軸とした正に経営戦略」
40数年ぶりの大雪が2回も続き、多くの影響を残しました。
先ずは被害に遭われた皆様へ心からお見舞い申し上げます。
さて、このコラムを担当してから早くも3年が経過し、22回目を迎えました。
散文的なものにならぬよう、仕事力、若手教育、経営戦略など大きな括りのテーマを設定して進めてきた積りですが、今回からは私自身の経験を踏まえた商品企画についてお送りします。 恐らく10回以上の長丁場になると思いますが、宜しくお付き合い願います。
初回に当たり 『 商品企画の本質とは何か・・・ 』 について述べさせて頂きます。
若手社員、またこれから就職される学生の皆さんにとって人気のある職種として、広報や企画の文字が頭に浮かぶようです。
華々しい、脚光を浴びる、カッコ良い仕事のイメージが先行しているのでしょう。
しかし乍ら、商品企画とはそんなに甘い仕事ではない・・・と言うのが私の25年の経験で得た印象です。
結論から先に述べると、 商品企画とは・・・商品を基軸とした正に経営戦略・・・です。
冒頭からいきなり堅苦しい、小難しい結論を押し付けてしまいましたが、 得てして商品企画とは個々の商品の魅力、新しい機能やデザインなど商品そのものを創造する過程に没入し勝ちです。 それが企画マンの仕事と誤解して企画に憧れる若者が如何に多いか、社内募集の機会に大いに感じたことでした。
商品に至る前に、最も重要なのはどのような経営理念や戦略に基づいてその商品(産業・事業・カテゴリー)でビジネスを行うか・・・これが最も重要な企業の選択です。
次のチャートをご覧ください。
これは私が薫陶を受けたある会社の経営者が社内に向けた 【警告】 です。
交流送電の優位性は言うまでもありませんが、過去にはこう言った選択が会社の行く末を大きく左右した時代があったのでしょう。
商品の細部を論ずる前に、企画はマクロ視点で大きな時代の流れを創造したり選択する責務が重要であることを認識すべきと言う例です。
現在、日本の電機業界は韓国勢、中国勢に追われ、既存家電、成熟家電のビジネスでは大きく水を空けられています。
デジタル時代への移行は、すなわちデバイス(基幹部品)さえあればどんな企業でも同等の商品を生産出来ることを意味します。
これからの日本は更に10年先を行く先端技術、または新しい産業を興すような創造力を発揮するのが活きる道だと言うことは私などが言わずとも明白な事実です。
またはコンスーマ商品でなく、医療用、業務用、宇宙開発など新しい分野でこそ発揮可能なオンリーワン技術は日本の得意芸な筈です。
デジタル商品とは言え、既にテレビ、ビデオ、カメラなどは成熟商品。
これらの中で生き残るには徹底した最高級品やブランド化、または勇気ある早期撤退で次世代商品にシフトするなど、マクロな商品転換を早め、5年・10年単位で売上構成が半分以上入れ替わるような商品企画が必要と言うことです。
まだまだ日本の開発力・生産力・品質力は世界中で超一流です。
これらを活かした政治・経済・金融・企業が一体となった活性化策は取れると信じています。
何やら、話が評論家的な、大袈裟な展開になってしまい恐縮ですが、商品企画シリーズの幕開けなのでご容赦ください。
次回からは、更に分かり易く、経験と具体例を基に、すぐお役に立つ形でお届けしますのでご期待ください。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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