2013/09/02 第19回「経営戦略 シリーズ⑤(石黒啓司)■悩まずに、考える スピード経営 (実例)速攻で積極的に動く文化」
今回はスピード経営に関する実例のご紹介です。
日本を取り巻く経済状況下、スピード経営の重要性を判りつつ実行出来ない現状。
一般社員だけでなくマネージャークラスでさえ、頭では判っていても実行できないのが現状だと思います。
今回のテーマは、ある方の発言をTVで拝見したのをヒントに進めて見ます。
それは 『何をそんなに悩んでいるのか』、悩む暇があったら 『考えて、動いてみる』と言う、至って簡単な原理でした。
今回の実例は、『慎重すぎる新製品の製造・販売計画』に疑問を持った事業部スタッフA君が、『みずから腹を張って生産を前倒しする提案と工夫を実行』して見事に発売直後の品不足を回避し、販売計画を倍増させたプロセスです。
判り易くするために、結論を先に述べてしまいます。
彼は 『悩まず』 に 『考えて・工夫して・速攻で』 周囲を説得して成功しました。
先ずは、プロセスを整理したチャートをご覧ください。
■ここでA君が、腹を張って提案したことの重要性を整理してみます。
①販売が化けたら大変なことになる!と言う危機感が先ず原動力でした
②予測力・直観力・リスクに対する慎重さ・・・の微妙なバランス感覚
③材料だけでも大目に手配して置く手法も腹張りのひとつです。
・生産計画まで落とし込まなくてもとにかく材料だけでも手配
・足の長部品だけでも手配して置く(イザと言う時にすぐ増産)
・在庫金額が低く抑えられるメリット
④生産キャパシティのフレキシビリティを事前に良く調べておく
・生産計画で急ブレーキや急アクセルを踏めるような体制か
・他商品、他カテゴリの生産との間で臨機応変にシフト可能なネゴ
⑤前述の営業の特質を念頭に置いて、営業の本音や人心を事前に掌握して置くこと
・本音で勝負を賭けたいと思う気概を共有する
・事業部が腹を張ってで支援すると営業との大きな信頼関係が生まれる
・彼らも腹張りと言う動き方のコツを体験できる
(本来、営業からは提案しづらいこと→事業部から水を向け提案すべきこと)
■背景にはこのような事象が存在しましたが、A君の熱意と工夫が各部門を動かしたという結果になりました。
■今回は仕事に対する 『志』 や 『精神論』 も含んだ形になってしまいました。
今の時代にマッチするかどうか懸念もありますが、ご参考になれば幸いです。
酷暑の夏でしたが、夏バテが出てくる時期です。 皆さまもご自愛ください。
石黒 啓司(いしぐろ けいじ)
コンサルタント(商品企画、マーケティング、仕事力改革)
今の日本、政治・経済の停滞の中、特に企業の元気がありません。構造変化への対応、新しい挑戦の欠如が原因と痛感しています。 これらの打開には先ず、戦略力、創造力・統率力などの仕事力が必須。至近な実例を元に仕事力&元気玉の復活を目指して発信します。
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